CAD利用技術者試験とはどんな試験? 試験概要から合格率までまとめました
CAD利用技術者試験とは国内でも有数のCAD技術認定試験です。ここでは、初心者の方にもわかりやすく試験の種類から学習方法、合格率などを解説します。
目次
- 3. 2次元(2D)利用技術者試験コースの概要
- 3-1. 2次元CAD利用技術者試験基礎
- 3-1-1. 試験概要
- 3-1-2. 試験範囲
- 3-1-3. 試験詳細
- 3-1-4. 受験料
- 3-1-5. こんな方に向いています
- 3-2. 2次元CAD利用技術者試験2級
- 3-2-1. 試験概要
- 3-2-2. 試験範囲
- 3-2-3. 試験詳細
- 3-2-4. 受験料
- 3-2-5. こんな方に向いています
- 3-3. 2次元CAD利用技術者試験1級(機械)
- 3-3-1. 試験概要
- 3-3-2. 試験範囲
- 3-3-3. 試験詳細
- 3-3-4. 受験料
- 3-3-5. こんな方に向いています
- 3-4. 2次元CAD利用技術者試験1級(建築)
- 3-4-1. 試験概要
- 3-4-2. 試験範囲
- 3-4-3. 試験詳細
- 3-4-4. 受験料
- 3-4-5. こんな方に向いています
- 3-5. 2次元CAD利用技術者試験1級(トレース)
- 3-5-1. 試験概要
- 3-5-2. 試験範囲
- 3-5-3. 試験詳細
- 3-5-4. 受験料
- 3-5-5. こんな方に向いています
1. CAD利用技術者試験とは?
「CAD利用技術者試験」とは、一般社団法人コンピュータソフトウェア協会が主催する資格試験です。 試験ではCAD(Computer Aided Design)システムに関連する知識の理解や、 建築図面、機械図面を問わず、様々な図面の作図およびトレース技術が求められます。 さらにパソコンに関する知識やソフトウェアと、それに付随する業務知識についても出題されます。
1-1. CAD利用技術者試験と建築CAD検定試験の違い
その他のCAD資格試験に「建築CAD検定試験」があります。
これは、全国建築CAD連盟が主催し、CADを使って文字通り建築用図面を描くスキルを計る日本初の建築CADの資格試験です。CAD利用技術者試験と大きな違いは、筆記がなく、実技試験のみで行われるという点です。また受験資格が特に設けられていないのも特徴で、CAD利用技術者試験が機械・建築問わずCADを利用するお仕事へ従事されている方、もしくは就・転職を希望される方の全てが対象なのに対し、建築CAD検定試験は文字通り建築CADをこれから始める方に対象を絞った資格試験となっています。
いずれの検定試験にも共通して言えることはCADの操作を一通り覚えたばかりの初心者の方や、既にCADを使用している実務経験者の方にとっても、現在のスキルをチェックするために有用な民間資格ということです。
CAD利用技術者試験 | 建築CAD検定試験 | |
---|---|---|
主催団体 | 一般社団法人 コンピュータ教育振興協会(CSAJ) | 一般社団法人 全国建築CAD連盟(AACL) |
受験資格 | 下位の級では特になし、上位の級では下位の級有資格者および過去の下位の級合格者に限る | 特になし |
受験内容 | 下位の級では筆記試験のみ、上位の級では筆記試験と実技試験が行われる | 全ての級で実技試験のみが行われる |
開催日程 | 年2回実施(6月(前期)、11月(後期)、基礎試験は申込次第随時実施 | 一般受験:年2回実施(4月、10月) 団体受験:年4回実施(4月、7月、10月、1月) |
おすすめの対象者 | CADを利用するお仕事へ従事されている方、もしくは就・転職を希望される方 | 建築CADをこれから始める方 |
2. 試験とそれぞれのカテゴリについて
CAD利用技術者試験では、受験者の目的やスキルによりいくつかの部門とカテゴリに分かれています。
2-1. 試験部門は2種類、カテゴリは全8種類
試験部門は大きく分けると次の2種類です。
・2次元(2D)
・3次元(3D)
さらに2次元(2D)部門は5種類、3次元(3D)部門は3種類、合計8種類のカテゴリに細分化されており、それぞれ能力に応じて資格を取得できる仕組みになっています。
3. 2次元(2D)利用技術者試験コースの概要
2次元部門の「2次元」とは「2D」のことです。
2Dとは「2-Dimensions」の略で、縦と横の2つの成分で表現できるので
「2D(2次元)」と呼ばれます。これらは「平面」を意味します。
よって、2次元の試験では、おおまかには平面のオブジェクト
および図面を作成する部門となり、以下のカテゴリに分類されます。
- 2次元CAD利用技術者試験基礎
- 2次元CAD利用技術者試験2級
- 2次元CAD利用技術者試験1級(機械)
- 2次元CAD利用技術者試験1級(建築)
- 2次元CAD利用技術者試験1級(トレース)
3-1. 2次元CAD利用技術者試験基礎
3-1-1. 試験概要
これからCADを本格的に学ぶことを目的とした、3ヵ月程度の就学者を想定して行います。
出典:CAD利用技術者試験 – 一般社団法人コンピュータ教育振興協会
3-1-2. 試験範囲
- CADシステムの基礎知識と利用
CADシステムの概要・基本概念、CADシステムの基本機能など - CADを動作させるコンピュータシステム
製図一般、製図の原理と表現方法、製図における図形の表現方法 - ネットワークの基礎知識
通信ネットワーク、LAN、インターネットなど - 情報セキュリティと知的財産
- 製図の基礎 製図の目的と一般規則、製図の原理と表現方法など
- 図形の基礎
三角形、四角形と多角形、円、立体図形など
※ 出題数:50問(コンピュータ分野/20問、CAD分野/30問)
出典:CAD利用技術者試験 – 一般社団法人コンピュータ教育振興協会
3-1-3. 試験詳細
- 試験時間:50分
- 試験方法:多肢選択方式、正誤方式
- 試験形態:IBT(インターネットに接続した環境でコンピュータを利用した試験)
- 合格基準:7割以上の正解を合格ラインとします。
- 受験資格:特にありません
出典:CAD利用技術者試験 – 一般社団法人コンピュータ教育振興協会
3-1-4. 受験料
4,000円+消費税
出典:CAD利用技術者試験 – 一般社団法人コンピュータ教育振興協会
3-1-5.こんな方に向いています
CADシステムを理解するうえでの基本的な知識を有する方を対象としています。初学者ならびに将来専門または間接的にCADシステムに係わる職業を希望する方を想定して試験を行います。
出典:CAD利用技術者試験 – 一般社団法人コンピュータ教育振興協会
3-2. 2次元CAD利用技術者試験2級
3-2-1. 試験概要
CADシステムを利用するすべての企業において、製図業務や営業・販売業務に従事し、半年以上の就学・就業経験を有する者を想定して行います。1級の合格を目指す方はもちろん、設計や製図、CADシステムの販売等に従事する方が合格者像です。
出典:CAD利用技術者試験 – 一般社団法人コンピュータ教育振興協会
3-2-2. 試験範囲
- CADシステム分野
CADシステムの概要と機能、CADシステムの基本機能、CADの作図データ、CADシステムとハードウェア、CADシステムとソフトウェア、ネットワークの知識、情報セキュリティと知的財産、CADシステムの運用・管理と課題、3次元CADの基礎知識 - 製図分野
製図一般、製図の原理と表現方法、製図における図形の表現方法
3-2-3. 試験詳細
- 試験時間:60分
- 試験方法:CBTシステムによる多肢選択方式(60問)
- 試験形態:筆記試験 (CBTシステムを利用した試験で、全国のCBT専用会場で受験可能です)
- 合格基準:CADシステム分野・製図分野が各5割以上、および総合が7割以上を合格基準
- 受験資格:特に制限はありません
出典:CAD利用技術者試験 – 一般社団法人コンピュータ教育振興協会
3-2-4. 受験料
5,500円+消費税
出典:CAD利用技術者試験 – 一般社団法人コンピュータ教育振興協会
3-2-5.こんな方に向いています
CADに関する専門知識(CADシステム、製図)とCADシステムを利用し設計・製図業務を行ううえで必要な知識を修得している方。
出典:CAD利用技術者試験 – 一般社団法人コンピュータ教育振興協会
3-3. 2次元CAD利用技術者試験1級(機械)
3-3-1. 試験概要
機械系のCADシステムを利用し、主として設計・製図業務に従事し、1年以上の就学・就業経験を有する者を想定して行います。CADシステムを操作できるだけではなく、設計の補助業務を担い、将来、設計者やオペレーターの管理業務を目指す方が合格者像です。
出典:CAD利用技術者試験 – 一般社団法人コンピュータ教育振興協会
3-3-2. 試験範囲
- 実技試験
【機構部品の作図】
リンク機構、カム機構
【投影図からの作図】
第三角法
【適切な数値(カタログ、要目表など)からの作図】
機械要素部品
※ファイルは、DXFフォーマットで保存すること。 - 筆記試験
【機械製図の知識】
機械製図の基本、材料、公差とはめあい、幾何公差、表面性状、加工方法、機械要素
出典:CAD利用技術者試験 – 一般社団法人コンピュータ教育振興協会
3-3-3. 試験詳細
- 試験時間:80分(保存時間含む)
※筆記問題、実技問題のどちらから始めても構いません - 試験方法:CADシステムを使用した実技問題
(解答データを保存したフラッシュメモリを提出)と機械分野の専門知識を問う筆記問題。 - 試験形態:実技試験と筆記試験
- 合格基準:実技試験・筆記試験が各5割以上、および総合が7割以上を合格基準。
- 受験資格:2級有資格者および過去の1級合格者に限ります
出典:CAD利用技術者試験 – 一般社団法人コンピュータ教育振興協会
3-3-4. 受験料
15,000円+消費税
※過去の1級合格者は10,000円+消費税
出典:CAD利用技術者試験 – 一般社団法人コンピュータ教育振興協会
3-3-5.こんな方に向いています
機械設計事務所、機械・設備メーカー、CADインストラクターを目指す方、または従事されている方。
出典:CAD利用技術者試験 – 一般社団法人コンピュータ教育振興協会
3-4. 2次元CAD利用技術者試験1級(建築)
3-4-1. 試験概要
建築系のCADシステムを利用し、主として設計・製図業務に従事し、1年以上の就学・就業経験を有する者を想定して行います。CADシステムを操作できるだけではなく、設計の補助業務を担い、将来、設計者やオペレーターの管理業務を目指す方が合格者像です。
出典:CAD利用技術者試験 – 一般社団法人コンピュータ教育振興協会3-4-2. 試験範囲
- 実技試験
RC造:平面図、断面図、立面図、矩計図、部分図、展開図
木造:平面図、断面図、立面図、部分図、展開図
※ファイルは、DXFフォーマットで保存すること。 - 筆記試験
【建築製図の基礎知識】
建築業務の基本知識、建築製図、建築の主な構造、建築の主な材料と部材、モデュール、建築業務と建築図面の役割
【建築生産の電子情報】
建築CALS/EC、建築生産業務の電子情報化、建築CAD図面作成要領、コンピュータによるシミュレーション
出典:CAD利用技術者試験 – 一般社団法人コンピュータ教育振興協会
3-4-3. 試験詳細
- 試験時間:80分(保存時間含む)
※筆記問題、実技問題のどちらから始めても構いません - 試験方法:CADシステムを使用した実技問題
(解答データを保存したフラッシュメモリを提出)と建築分野の専門知識を問う筆記問題 - 試験形態:実技試験と筆記試験
- 合格基準:実技試験・筆記試験が各5割以上、および総合が7割以上を合格基準
- 受験資格:2級有資格者および過去の1級合格者に限ります
出典:CAD利用技術者試験 – 一般社団法人コンピュータ教育振興協会
3-4-4. 受験料
15,000円+消費税
※過去の1級合格者は10,000円+消費税
3-4-5.こんな方に向いています
建築設計事務所、住宅・設備メーカー、CADインストラクターを目指す方、または従事されている方。
出典:CAD利用技術者試験 – 一般社団法人コンピュータ教育振興協会3-5. 2次元CAD利用技術者試験1級(トレース)
3-5-1. 試験概要
汎用系のCADシステムを利用し、主として2次元図面のトレース業務に従事し、半年以上の就学・就業経験を有する者を想定して行います。CADシステムによる製図業務に特化した、操作能力と知識を必要とし、社員としてはもちろん、派遣業務や在宅業務を目指す方が合格者像です。
出典:CAD利用技術者試験 – 一般社団法人コンピュータ教育振興協会3-5-2. 試験範囲
- 実技試験
【編集・レイヤ設定能力】
図形の編集、コマンド機能、レイヤ設定
【トレース能力】
図面のトレース
【投影能力】
投影関係と形状理解
※実技試験では、出題される分野の専門知識は必要ありませんが、図記号、線種などの知識は必要となります。
※ファイルは、DXFフォーマットで保存すること。 - 筆記試験
【製図の知識】
図面の名称、線の種類と用途、寸法補助記号、図記号(建築、機械、土木、電気)
出典:CAD利用技術者試験 – 一般社団法人コンピュータ教育振興協会
3-5-3. 試験詳細
- 試験時間:80分(保存時間含む)
※筆記問題、実技問題のどちらから始めても構いません - 試験方法:CADシステムを使用した実技問題
(解答データを保存したフラッシュメモリを提出)と建築分野の専門知識を問う筆記問題。 - 試験形態:実技試験と筆記試験
- 合格基準:実技試験・筆記試験が各5割以上、および総合が7割以上を合格基準。
- 受験資格:2級有資格者および過去の1級合格者に限ります
出典:CAD利用技術者試験 – 一般社団法人コンピュータ教育振興協会
3-5-4. 受験料
15,000円+消費税
※過去の1級合格者は10,000円+消費税
出典:CAD利用技術者試験 – 一般社団法人コンピュータ教育振興協会
3-5-5.こんな方に向いています
建築・土木設計事務所、機械・アパレル・インテリアメーカーおよび、派遣・在宅のCADオペレーターを目指す方、または従事されている方。
出典:CAD利用技術者試験 – 一般社団法人コンピュータ教育振興協会
4. 3次元(3D)CAD利用技術者試験コースの概要
3次元コース部門の「3次元」とは「3D」のことです。
3Dとは「3-Dimensions」の略で、縦と横の2つの成分に加えて奥行の成分を要するため、「3D(3次元)」と呼ばれます。これらは物体の構造など立体視全般を意味します。よって、3次元の試験では、おおまかには立体的なオブジェクトを作成するコース部門となり、それぞれ以下のカテゴリに分類されます。
- 3次元CAD利用技術者試験2級
- 3次元CAD利用技術者試験準1級
- 3次元CAD利用技術者試験1級
4-1. 3次元CAD利用技術者試験2級
4-1-1. 試験概要
機械系・製造系の3次元CADシステムを利用し、主として設計・製図業務に従事し、半年以上の就学・就業 経験を有する方を想定して行います。 3次元CAD利用技術者試験2級は、3次元CADシステムを利用したモデリング・設計・製図などの業務に従事する方、および3次元CADシステムの周辺業務に従事している方、準1級、1級へのステップアップとしてだけでなく、関連製品の管理、営業等を担当される方が合格者像です。
出典:CAD利用技術者試験 – 一般社団法人コンピュータ教育振興協会
4-1-2. 試験範囲
- 3次元CADの概念
3次元CADとは、3次元CADの必要性、3次元CADの歴史、3次元モデルのデータ構造、表示技術、3次元モデルの構成 - 3次元CADの機能と実用的モデリング手法
3次元CADによる設計、モデリング機能、実用化の事例、複合化したコマンド、検査・計測・解析の方法、パラメトリックモデリング、アセンブリモデリング、実用上の注意点 - 3次元CADデータの管理と周辺知識
PDM、プロジェクト管理、コンピュータシステムの構成、CADとネットワーク知識、情報セキュリティ - 3次元CADデータの活用
CAE、CAM、CAT、CG、RP、DMU、コラボレーション、3次元CADデータの応用例
出典:CAD利用技術者試験 – 一般社団法人コンピュータ教育振興協会
4-1-3. 試験詳細
- 試験時間:60分 11:00~12:00
- 試験方法:マークシート方式による多肢選択方式および真偽方式で60問
- 試験形態:筆記試験
- 合格基準:各分野5割以上、および総合7割以上の正解を合格基準
- 受験資格:特にありません
出典:CAD利用技術者試験 – 一般社団法人コンピュータ教育振興協会
4-1-4. 受験料
7,000円+消費税
出典:CAD利用技術者試験 – 一般社団法人コンピュータ教育振興協会
4-1-5.こんな方に向いています
CADシステム(製造・機械系)を利用したモデリング・設計・製図などの業務に従事する者、および3次元CADシステムの周辺業務に従事している方。
出典:CAD利用技術者試験 – 一般社団法人コンピュータ教育振興協会4-2. 3次元CAD利用技術者試験準1級
4-2-1. 試験概要
3次元CAD利用技術者試験準1級は、機械系・製造系の3次元CADシステムを利用したモデリング・設計・製図などの業務に従事することを目指す方、もしくは従事して間もない方を想定して行います。3次元CADを学び、知識と操作の基礎的な部分を習得し、3次元設計の補助業務やオペレーターを目指す方が合格者像です。
出典:CAD利用技術者試験 – 一般社団法人コンピュータ教育振興協会
4-2-2. 試験範囲
- CADリテラシー問題、空間把握能力問題
文章によるモデリング手順に従い、部品を作成する問題。第三者との口頭によるやり取りや手描き図面情報の伝達をイメージし、的確にコマンドを使用できるかを問う。投影図、展開図より、部品を作成する問題。空間形状が把握できているかを問う。 - 2次元図面からの作図能力問題
2次元図面より、機械部品を作成する問題。実務の基本的な能力を総合的に問う。
出典:CAD利用技術者試験 – 一般社団法人コンピュータ教育振興協会
4-2-3. 試験詳細
- 試験時間:120分 10:00~12:00/13:30~15:30
※実技試験開始60分後から終了10分前まで解答等提出後に退出が可能です。
※10:00~12:00は「併願受験」では選択できません。(2級試験時間が10:30~12:00のため)
※地域により、選択できる試験時間帯が異なります。申込画面を進み確認してください。 - 試験方法: 3次元CADソフトを使用したモデリング。モデルの体積、表面積などを測定し、解答群の中からもっとも近い値を選択し、解答用紙(マークシート)に記入。
- 試験形態:実技試験
- 合格基準:各分野5割以上、および総合7割以上の正解を合格基準
- 受験資格:2級有資格者(併願受験も可) ※2級との併願受験の場合、1級・準1級が合格ラインに達していても2級が不合格の場合は、1級・準1級も不合格となります。
※準1級と1級を同日受験日に受験することはできません。
出典:CAD利用技術者試験 – 一般社団法人コンピュータ教育振興協会
4-2-4. 受験料
10,000円+消費税
※2級との併願受験:15,000円+消費税
4-2-5.こんな方に向いています
3次元CADシステム(製造・機械系)を利用したモデリング・設計・製図などの業務に従事することを目指す者、もしくは従事して間もない方。
出典:CAD利用技術者試験 – 一般社団法人コンピュータ教育振興協会4-3. 3次元CAD利用技術者試験1級
4-3-1. 試験概要
3次元CAD利用技術者試験1級は、機械系・製造系の3次元CADシステムを利用して、モデリング・設計・製図などの業務に従事して半年以上の実務経験を有する方を想定して行います。3次元CADシステムを操作できるだけではなく、3次元設計の補助業務を担い、将来、設計者やオペレーターの管理業務を目指す方が合格者像です。
出典:CAD利用技術者試験 – 一般社団法人コンピュータ教育振興協会4-3-2. 試験範囲
- CADリテラシー問題、空間把握能力問題
文章によるモデリング手順に従い、部品を作成する問題。第三者との口頭によるやり取りや手描き図面情報の伝達をイメージし、的確にコマンドを使用できるかを問う。投影図、展開図より、部品を作成する問題。空間形状が把握できているかを問う。 - 部品組立て能力問題
部品を作成し、それらを組み立てる問題。正しく部品を組み立てられるかを問う - 2次元図面からの作図能力問題
2次元図面より、機械部品を作成する問題。実務の基本的な能力を総合的に問う
出典:CAD利用技術者試験 – 一般社団法人コンピュータ教育振興協会
4-3-3. 試験詳細
- 試験時間:120分 10:00~12:00/13:30~15:30
※実技試験開始60分後から終了10分前まで解答等提出後に退出が可能です。
※10:00~12:00は「併願受験」では選択できません。(2級試験時間が10:30~12:00のため)
※地域により、選択できる試験時間帯が異なります。申込画面を進み確認してください。 - 試験方法: 3次元CADソフトを使用したモデリング。モデルの体積、表面積などを測定し、解答群の中からもっとも近い値を選択し、解答用紙(マークシート)に記入
- 試験形態:実技試験
- 合格基準:各分野5割以上、および総合7割以上の正解を合格基準
- 受験資格:2級有資格者(併願受験も可)。
※2級との併願受験の場合、1級・準1級が合格ラインに達していても2級が不合格の場合は、1級・準1級も不合格となります。
※準1級と1級を同日受験日に受験することはできません
出典:CAD利用技術者試験 – 一般社団法人コンピュータ教育振興協会
4-3-4. 受験料
15,000円+消費税
※2級との併願受験:20,000円+消費税
4-3-5.こんな方に向いています
3次元CADシステム(製造・機械系)を利用して、モデリング・設計・製図などの業務に従事して半年以上の実務経験を有する方。
出典:CAD利用技術者試験 – 一般社団法人コンピュータ教育振興協会5. CAD利用技術者検定試験の過去問題の学習方法
CAD利用技術者試験は毎年出題傾向が変わると言われています。
そのため、学習方法もその年度に合わせたテスト傾向をカバー出来ている教材で学習することが大切です。ではどのような学習方法があるか、いくつかご紹介します。
5-1. 「CAD利用技術者試験 公式ガイドブック」で学習する
主催団体である一般社団法人 コンピュータ教育振興協会(CSAJ)から書店に「CAD利用技術者試験 公式ガイドブック」(税込3,600円)が出版されているので、まずはこちらをメインに勉強を進めます。毎年新しい公式ガイドブックが発売されるので、必ず受験する年度の最新版を購入し、学習するようにしましょう。
5-2. その他の学習方法
専門学校やスクールに通う
講師から直接出題ポイントや出題傾向を教えてもらえたり、細かな質問ができる環境があるので安心して学習できるメリットがあります。ただし高額な受講料がかかってしまうため、試験直前に開催される対策講座を探して受講するのもおすすめです。
独学で学ぶ
ご自身が受験する表題資格の公式ガイドブックを書店で購入して学習をはじめます。
試験前にCADスクールが設けている体験レッスンなどに一度参加して実際の雰囲気だけでもつかんでおくとよいでしょう。
平成29年度版 CAD利用技術者試験 2次元2級・基礎公式ガイドブック
コンピュータ教育振興協会 (著)
公式ガイドブックでは、「2次元CAD利用技術者基礎試験」や「2次元CAD利用技術者試験2級」のサンプル試験問題がついておりますので、まずはこちらを繰り返し解いて学習してみることで、出題傾向を理解することができるでしょう。
コンピュータ教育振興協会が主催している「2次元CAD利用技術者基礎試験」や「2次元CAD利用技術者試験2級」を受験する人のための公式ガイドブック(学習書)です。 CADを仕事で使いこなすために必要な知識をマスターすることを目指します。基礎試験、2級試験ともに受験資格の制限はありません。2級試験はCADを設計・製図の仕事で すでに使っている人や、これから実務で使う人が主な対象です。CADシステムと製図の問題が出題されます。 2級試験は平成25年度からCBT試験会場で、年間を通じて随時受験できるようになりました。 基礎試験はCADシステムの初学者を対象にしていて、コンピュータとCADの基礎知識を問う問題が出題されます。基礎試験はインターネットで随時受験できます。 2級のサンプル試験問題とその解答、基礎試験のサンプル問題を掲載しています。
出典:amazon
6. CAD利用技術者検定試験の難易度について
CAD利用技術者検定試験の難易度は各部門やカテゴリ、階級で異なりますが、2級までは独学で合格するとも言われています。7. CAD利用技術者検定試験の合格率について
各部門別の合格率は前期・後期ともに以下の通りです。7-1. 部門別受験者数および合格者数
●1級(3次元)
時期 | 受験者数 | 合格率 |
---|---|---|
2016年前期 | 222人 | 21.6% |
2015年後期 | 275人 | 18.5% |
2015年前期 | 248人 | 25.0% |
2014年後期 | 297人 | 18.9% |
2014年前期 | 242人 | 16.5% |
2013年後期 | 334人 | 36.8% |
●準1級(3次元)
時期 | 受験者数 | 合格率 |
---|---|---|
2016年前期 | 265人 | 36.2% |
2015年後期 | 381人 | 40.4% |
2015年前期 | 262人 | 48.5% |
2014年後期 | 400人 | 42.5% |
2014年前期 | 274人 | 44.9% |
2013年後期 | 387人 | 47.2% |
●2級(3次元)
時期 | 受験者数 | 合格率 |
---|---|---|
2016年前期 | 828人 | 48.1% |
2015年後期 | 1,034人 | 54.5% |
2015年前期 | 914人 | 64.8% |
2014年後期 | 1,143人 | 59.5% |
2014年前期 | 928人 | 39.3% |
2013年後期 | 1,110人 | 48.2% |
●1級(トレース)
時期 | 受験者数 | 合格率 |
---|---|---|
2016年前期 | 45人 | 60.0% |
2015年後期 | 64人 | 65.6% |
2015年前期 | 55人 | 27.3% |
2014年後期 | 82人 | 67.1% |
2014年前期 | 72人 | 65.3% |
2013年後期 | 103人 | 60.2% |
●1級(機械)
時期 | 受験者数 | 合格率 |
---|---|---|
2016年前期 | 226人 | 46.9% |
2015年後期 | 355人 | 53.0% |
2015年前期 | 255人 | 54.5% |
2014年後期 | 401人 | 51.6% |
2014年前期 | 281人 | 32.7% |
2013年後期 | 445人 | 31.0% |
●1級(建築)
時期 | 受験者数 | 合格率 |
---|---|---|
2016年前期 | 95人 | 43.1% |
2015年後期 | 133人 | 57.9% |
2015年前期 | 135人 | 36.3% |
2014年後期 | 158人 | 51.3% |
2014年前期 | 154人 | 59.1% |
2013年後期 | 176人 | 32.4% |
●2級
時期 | 受験者数 | 合格率 |
---|---|---|
2015年 | 4,223人 | 52.7% |
2014年 | 4,770人 | 55.0% |
2013年 | 5,233人 | 52.5% |
2012年後期 | 2,305人 | 45.8% |
2012年前期 | 2,573人 | 51.4% |
2011年後期 | 3,044人 | 45.9% |
●基礎
時期 | 受験者数 | 合格率 |
---|---|---|
2015年 | 961人 | 52.7% |
2014年 | 831人 | 60.4% |
2013年 | 730人 | 71.3% |
2012年 | 739人 | 67.3% |
2011年 | 747人 | 61.8% |
2010年 | 855人 | 82.7% |
7-2. 2016年度 前期および後期の合格率
試験・資格名 | 時期 | |
---|---|---|
前期 | 後期 | |
3次元CAD利用技術者試験 2級 | 48.10% | 42.32% |
3次元CAD利用技術者試験 準1級 | 36.20% | 51.52% |
3次元CAD利用技術者試験 1級 | 21.60% | 43.14% |
2次元CAD利用技術者試験 2級 | 53.30% | |
2次元CAD利用技術者試験 1級(トレース) | 67.85% | |
2次元CAD利用技術者試験 1級(建築) | 40.54% | |
2次元CAD利用技術者試験 1級(機械) | 36.69% | |
2次元CAD利用技術者試験基礎 | 64.70% |
8. まとめ
CAD利用技術者試験資格の試験は、2次元と3次元の2分野に分かれています。
2次元は2級までは合格率も約50%前後。出題傾向さえ把握できれば独学での取得も可能と言われているように、初心者が受験しやすい内容となっています。3次元試験は2次元の知識や技術を立体化させなくてはならないので、さらに形状に設計意図を持たせるようなスキルと学習が必要になります。
CAD利用技術者試験では、基礎的なものを筆記試験で、実務に有効な作業を実技試験で試されるので、ご自身のスキルチェックとしてもおすすめです。
まだCADの実務経験がない方や、CAD経験の浅い方はご自身のスキルを確認する上で、資格を取得することは有用です。下記記事で試験勉強の方法やCADソフトの種類を参考にしながら、是非チャレンジしてみてください。
そして見事2次元2級試験に合格したら、1級試験に向けて実際のCAD操作にもトライしてみましょう。
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