女性が今「手に職」をつけるべき理由とは?新しい時代の働き方を解説
多くの企業で終身雇用制度も崩壊しつつある今、大卒で優良企業に正社員就職しても生涯が保証される時代ではなくなりました。こうした風潮からどんな時代が来ても安定して収入を得られるように「手に職」をつけて働く、専門的なスペシャリストを志望する女性が今増えているようです。また近年「ものづくり」の仕事が女性たちに注目されていますが「手に職」を付けるということは、女性にとってどんなメリットがあるのでしょうか?
目次
1.なぜ今女性が「手に職」をつける必要があるの?
今、世の中の女性たちにとって「手に職をつける」ことが大変注目されています。これまでの時代、男性であれば、大学卒業後に大手企業に就職をすれば、年功序列に従い40代後半から50代前半になると、多くの社員が管理職と呼ばれるポストに就くことができました。
従来の社会では、年功序列制度により官公庁や企業などにおいて勤続年数、年齢などに応じて役職を与え、賃金を上昇させるという日本独自の人事制度が採用されてきたためです。
また女性であれば新卒入社後、20代のうちに結婚をすれば、わずか数年で晴れて寿退社し、その後主婦業に専念するという方が多い時代でもありました。
しかし数年前から、日本の従来の給与昇給システムである年功序列制度を廃止しようという動きが活発になりはじめました。その背景には、どの企業も年功序列制度による人件費の維持が既に困難になってきていることが理由として挙げられます。
またこの制度は日本のみで採用されている独自のシステムのため、海外にはありません。
このような施策が実施されたのは、2020年のオリンピックに向けて日本のグローバル化をすすめるにあたり、海外の有能な人材も採用できるよう、世界基準に合わせるための動きであるとも言われています。
これまでの時代は皆が一律、同じような人生設計を描き、同じような道筋をたどり「あらかじめ決められたゴールに向かって進む」といったキャリア観が一般的でしたが、近年こういった旧来の価値観が如実に通用しなくなってきているのです。そして男性たちが「大手安定企業で正社員になったのに将来が保証されない」「志望した企業に入社したがキャリアプランが思い描いた通りにいかない」となってしまった以上、女性たちも専業主婦として家事や子育てのみに専念できる時代ではなくなってしまいました。
男女ともに従来のキャリアパスが通用しなくなったことから、仕事や生き方に対して不安を抱える人が年々増え始めているようです。
しかもこれからは、どのような職業であっても、何らかの事情で転職を余儀なくされるなど「キャリアの変化」が当たり前となるため、働くうえで「変化することを前提にキャリアを考える」ことが必要な時代になりつつあるとも言われています。
既婚女性も共働きで働くことが当たり前となってきた今、こうした時代の流れの中で「手に職」をつけるということが、改めて女性たちに注目されているというわけです。
なぜなら「手に職」があるだけで、高収入を得やすくなり、さらに失業のリスクを減らすこともできるからです。それだけでなく、興味のある分野であれば楽しみながら仕事に打ち込むこともできるので、「手に職」をつけるということは女性にとってまさに一石三鳥なのです。
1-1.女性が20代のうちに「手に職を」つけるべき理由
このような時代の風潮を受け「将来を見越して、手に職を付けておきたい」という考えは、20代にも広まっています。
何か新しいことを始めるのに、遅すぎることも早すぎることもありません。しかし、新しいことを身に付けるのであれば、できるだけ若い20代のうちに始めておいたほうが、将来的なキャリア設計においては非常に有利です。
女性が20代のうちに「手に職」をつけるべき理由は、主に次の3つです。
- 未経験者として異業種へ転職するなら20代が圧倒的に有利であるため
- 20代のうちから一生働くことを見据えて手に職をつけておくと人生の軌道修正もしやすくなるため
- 新しい分野の仕事にチャレンジするなら確実に20代のほうが選択肢が広く設けられているため
社会人デビュー後、数年すると仕事にも慣れ、お金も時間も比較的自由に使うことができます。また独身女子のうちは子どもやパートナーもいないぶん、多少残業をしたり、習い事や資格取得のためにお金を投資しても大丈夫ですし、さらに実家暮らしであれば自分の仕事や趣味だけに集中して打ち込むこともできます。
こうした時間やお金の使い方は、結婚するとなかなかできません。自分より家族を優先しなくてはならない場面も増え、独身時代のようになかなか思うようにはいかないことも多くなってくるからです。
そのため、好きなことややっておきたいことは、時間にもお金にも余裕がある独身20代のうちに、できるだけ打ち込んでおくとベストです。
そして20代であれば、異業種への転職もそれより上の世代と比べて圧倒的に有利であることも理由の一つです。
就職口の選択肢も広く門戸が開かれているため、行動力さえあればさまざまな分野の新しい仕事に挑戦することも可能です。
そして20代のうちから、一生働くことを見据えた上で専門的な技術や知識を身に付けておくと、その分経験年数も増え、同時に実績を積むことができるため、将来のキャリア設計においても非常に有用であるというわけです。
1-2.20代で「手に職」を付けておくと30代以降も楽に働ける!
このように20代のうちに手に職を付けておくと、30代になってからも後々さまざまな恩恵を受けることができます。
主なメリットは次の3つです。
- 20代独身のうちに手に職を付けておくと、結婚出産後の育休明けの復職もスムーズである
- 結婚出産後も20代で培った経験とスキルを活かしてフリーランスとして働く選択肢も増える
- 手に職があるだけで、主婦業の傍らに空いた時間を有効活用して高条件で働くことができる
これはほんの一例ですが、30代女性にとって、手に職があることの一番のメリットは「親やパートナーに頼ることなく、経済的に自立していられる」ということです。
経済的に自立していると、女性は自由を手に入れることができます。経済的に自由であるということは、自分の人生を自分自身で決められるということです。
また20代のうちにやれるだけのことをやっておくと過去を悔やむ理由がなくなるので、30代になってからも下の世代に対して引け目を感じたり「もう年だから」と卑屈になることもありません。
そして「手に職」を活かしていつどんな時であっても一人で稼いでいけるという信念は、女性としての自信にもつながります。自分に自信がある女性は心も若々しくいられるので、年齢の枠に囚われず、常に「今」この時に輝いていることができます。
そしてそれが好きな分野の仕事であれば、常に楽しみながらやりがいを持って仕事をし続けていけるので、主婦業や育児の最中も、仕事が息抜きにもなります。
CADオペレーターなどの設計業を例にとった場合、この業種は年齢関係なくいつまでも現役で働くことができるので、アラサー以降も、アラフォー、アラフィフ、アラ還になってもいつまでも第一線で活躍することだってできるのです。
このように「手に職」があるだけで、女性は時代や年齢に囚われることなく、いつまでも自由に輝く人生を選択し続けることができるのです。
2.そもそも「手に職」をつけるってどんなこと?
「手に職をつける」とは「職業または職能を自分のものとすること。生計を立てるための仕事、あるいは、仕事に就くための技能や資格を、獲得すること」を意味します。
「手に職」をつけるためには、その分野の専門知識や技術を学ばなくてはなりません。どの分野であっても専門性が高いゆえ、始めたばかりの頃はその難しさに辞めてしまいたくなることもあるでしょう。
しかし、最初は辛くとも頑張って身に付けた技術や専門知識は、自分にとって生涯の糧となり、需要さえあれば一生食べていくのに困ることはありません。
そして、転職を考えたときにも「即戦力」として扱われるだけでなく、正社員、契約社員、派遣社員やアルバイトなど、どんな雇用形態であっても、希望する企業や職場への就職が叶いやすくなるというメリットもあります。
そして「手に職」系の仕事であれば、さらに技術を磨き経験を積んで自分が希望さえすれば、女性であっても独立起業がしやすくなるという強みもあります。
今の時代、さまざまな分野で専門技能を持った「スペシャリスト」として活躍している女性たちはたくさんいます。
最初はなんとなく好奇心からやり始めたものが、次第に夢中になっていくうちに、いつの間にかそれを極めて「専門家」として活躍する女性や、在職中に趣味を生かせる分野の資格を取得し、定年退職後に新たにセカンドキャリアをスタートさせる女性だっているのです。
アロマテラピーやエステティシャンなどの美容系の分野は、人気の定番ジャンルとして有名ですが、他にもパンやお菓子作りなどの料理の分野や、服作りや編み物、羊毛フェルト雑貨などの手芸分野の他、フラワーアレンジやポーセラーツなど、女性ならではの感性を活かせる分野でスペシャリストとして活躍する方は大勢います。
このように、現在活躍中のどんなスペシャリストであってもはじめは未経験者からスタートし「手に職」をつけています。
そしてこれからの時代は、どの分野の仕事であっても一人一人に「専門性」を求められる度合いが一層高まると言われています。
こうした傾向は女性にとっても同様です。これまでは専門職の分野でも、実務経験が長いだけという理由で転職が優遇されることがありました。
しかし、これからの時代は過去の実務経験とは別に、常に新しい知識や技術を専門的に学び続けることができる人や、常に新しいことを習得していく必要がある仕事が増加していくということが、リクルートワークス研究所の「21世紀のキャリア」変化と成長の現実調査からも明らかになっています。
また働く女性にとっては、勤続年数が評価や賃金に反映されない制度が可能となれば、他にもさまざまなメリットが得られます。
一つは、結婚や出産などのライフイベントにより、キャリアを中断した場合でも、その後の復職も容易になることが挙げられます。そしてその結果が、子育て世帯への有力な支援となるとも言われています。
これまでの年功序列システムは、さまざまなライフイベントによって、休職を止む無くされる女性にとっては大変不利でした。
年功序列制の場合だと、女性が出産を機に産休で一度キャリアを離れ、その後非正規雇用で再就職したとすると、その女性の生涯賃金はなんと2億円以上減ってしまうという内閣府の試算も出ているように、収入面でも大きなデメリットになりかねます。
そういった背景からも、「手に職」をつけ、何らかの専門分野でスペシャリストになりたいと切望する女性が現在急増しているのです。
3.今「ものづくり」の仕事が女性に注目されている訳とは?
今、時代は「モノ消費からコト消費へ」。最近、そんな言葉をよく耳にしませんか?
商品を買って所有することに価値を見出す消費傾向を「モノ消費」、その商品やサービスを購入したことで得られる体験に対して価値を見出す消費傾向を「コト消費」と呼んでいます。
株式会社ジェイアール東日本企画の「普段の生活に関する定性調査及び定量調査」によると以下のようなリサーチ結果となりました。
このグラフを見ると「欲しいものはあるが“今すぐに買いたい”とまでは思わない」と答えた人が全体の69.3%、「習い事・資格取得・留学など”学び”にお金を費やすのは有益だと思う」と答えた人は全体の72.6%にも及んでいます。
これまでのように、既成の流行商品を買う人が減り、売り手主導の考え方が通用しなくなった今、モノを売るには今までなかった価値を創りだす「価値創造型思考」が必要となりました。
その代わり、自らのアイデアを駆使しながら、オリジナルの1点ものを自分の手で作り出す人々が増え始め、社会全体において「モノ」に対する価値観が徐々に変わり始めたのです。
こうしたデータ結果が示すように、近年、全世代の女性たちの間では趣味や習い事のためにお金や時間を費やす人が増え、空前の「ものづくり」ブームが起きています。
最近のハンドメイドブームもその一つです。
趣味の時間で作った手芸作品を、アクセサリー作家としてメルカリやminne(ミンネ)などのフリマアプリで売って収入を得たり、インスタなどのSNSにアップした作品が好評を得て、そのまま仕事へと転じる女性たちも実際に増え始めています。
「手に職」をつけるための資格取得なども同様です。
趣味からはじめた「ものづくり」を、本格的なプロとして仕事にするのであれば、それ相応の資格が必要な場合もあります。
そうした場合であっても、これまでの時代のように「すべきこと」の一貫として資格を取得するのではなく、目的や夢やを実現するためにお金や時間を投資し、楽しみながら学ぶ女性が増えはじめているのです。
そして「ものづくり」の仕事は、才能や人柄などで評価される場合が多いことから、その他の仕事に比べて学歴が重要視されないことも人気の理由です。
飛びぬけたセンスや独自のスタイルさえあれば、中卒・高卒・大卒のふるいにかけられることもなく、学歴・文理不問ですべての人に対して平等に成功するチャンスがあるということも、ものづくり業界の大きな魅力でもあります。
このように女性たちは「ものづくり」という趣味や仕事を通し「楽しい経験や体験を積み重ね、日々の生活を充実させた結果が、豊かな人生につながる」という新しい価値観に日々目覚め始めているのです。
4.在宅副業も可能!女性にとっての「フリーランス」という働き方
このような大きな転換期を迎えた今、女性の働き方はこれからどのように変化していくのでしょうか?
このグラフは「”フリーランス”という働き方への意向関心度」を示したものです。
出典:リクルートワークス研究所 – 成熟期のパラダイムシフト(2011)
この統計を見ると、働き方の選択肢が増えた現在の日本では、全体の55%の求職者がフリーランスとして働くことに何かしらの関心を持っており、17%の求職者が実際にフリーランスとして働き始めたことが明らかになっています。
また、このグラフは2016年のデータを元に作成しましたが、2018年現在はこれよりももっと多い割合の方が、実際にフリーランスとして働いていると考えられます。 そして近い将来、フリーランスとして働く労働者は、現在よりももっと急速に増加すると見込まれています。
出典:リクルートワークス研究所 – 成熟期のパラダイムシフト(2011)
続いてこちらは「”フリーランス”という働き方への意向関心度」のグラフです。
これは実際に「フリーランスとして働くこととなった」と回答した全体の17%の求職者に対し、現在のメインの職業(就業形態)を質問した結果です。
この調査によると、フリーランス・自営業・会社経営者としての仕事がメインであると答えた求職者は47%で、53%の回答者は、会社員・契約社員・派遣社員として企業に雇用されている仕事をメインの職業と回答しています。
この結果は「フリーランサーの多くは完全な独立事業者ではなく、副業を掛け持ち、兼業に取り組んでいる給与所得者である」ということを示しています。
2017年には副業解禁や残業規制などの「働き方改革」が話題となったのも記憶に新しい出来事です。
この制度により、一般的には正社員雇用が減る時代に入ったとも言われていますが、別の言い方をすれば「雇用する側にも働く側にも新たな選択肢が生まれつつある」ということも意味しています。
そして同じ職種の仕事を複数かけ持ちする人が増加すれば、自ずとスキルが磨かれるので、今後は他の誰かでは代替がきかない、高度な技術をもった「ハイスキルワーカー」も増加することが見込まれています。
また近い将来、企業は経営の効率化のために、業務を外部に委託する「アウトソーシング」の形態をとることが今以上に増えると言われています。
「外部委託」と言えば専門職のみが可能な働き方というイメージですが、現在は人事や経理、事務などもそれ専門に特化した「プロ」を委託で採用する流れが強まりはじめています。
その背景にあるのは、ネットの普及によるリモートワーク環境の発展です。これにより従来の一般的な通勤スタイルだけでなく、正社員でもテレワークという選択肢が増えたり、パソコンを使った在宅での副業や、ノマドスタイルのフリーランスとして働くことも、以前より格段に簡単となりました。
既にアメリカでは、法務や財務、研究開発といった社内業務までクラウドソーシングを使う企業が増え、多くの女性が共働きで活躍しています。
また今後は国境を越えた「職のグローバル化」が進むと予見されています。インターネット環境さえあれば海外の企業とも常にオンタイムでやり取りをすることができるため、これからの時代は日本にいながら海外企業の一員として、英語力を活かしながら働くことも簡単にできるようになるでしょう。
このように「フリーランス」という働き方は、以前に比べてハードルが下がり、女性にとっても非常に身近な働き方となりました。
フリーランスを目指して「手に職」をつけるため、平日の夜間や週末をスクールや資格取得のための勉強にあてたり、平日は本業やアルバイトと掛け持ち収入減を確保しながら、週末のみ各分野のスペシャリストとして起業している人なども、既にたくさんいます。
とはいえ、すぐに今の仕事を辞め、急いで起業する必要はありません。まず最初は、興味のある分野の仕事を副業として始めてみるのも一つの方法です。
5.これから需要の増加が見込まれるのはどんな職種?
出典:リクルートワークス研究所 – 成熟期のパラダイムシフト(2011)
こちらは1990年から今後2020年までの職種別就業者数の推移を示したグラフです。
この図は今後2020年にかけて、専門職・技術職、さらにサービス職が引き続き増加することを示しています。
専門職・技術職は1990年から2010年までの年間で約300万人増加しています。2010年代も緩やかではありますが、引き続き増加し、2020年には1029万人まで達するであろうと言われています。
サービス職も1990年から2010年までに約300万人増加していることも特徴です。その後も同様の動きをたどり、さらに2020年には922万人と、今後年間で約100万人増加することが既に予測されています。
この背景には、高齢化社会になったことで医療・福祉の需要が増加し、これらもサービス業に含まれるため、サービス産業以外の分野においてもサービス活動が求められる「サービス経済化」が理由に挙げられます。
またスマホやパソコンと連動したAI家電も実際市場に増えてきているように、最先端のロボット技術や情報通信技術を扱う技術の高いエンジニアも今後さらに需要が増えていくと予想されています。
一方、今後さらなる減少をたどることが予想されているのは管理職です。一説には、10年後には経営者ですら、ただ管理するだけの人はAIに代替されるとさえも言われています。
いずれにしても、どの分野であっても専門職・技術職・サービス職に対する需要は、今後間違いなく高まるということです。
6.「手に職」を活かせる!女性の転職・独立に有利な仕事と資格
今後さらなる需要が見込まれているとされる、専門職・技術職・サービス職は「手に職」が必要な職業ばかりです。
では実際に「手に職」を活かして働くことができる職業とは、具体的にどのような仕事があるのでしょうか?これからの転職やキャリアアップした後、将来的にフリーランスとして独立する際に有利な資格もあわせて見ていきましょう。
6-1. エンジニア
6-1-1. どんな仕事?
「エンジニア」と一口に言ってもこれはあくまで総称です。
エンジニアには、コンピュータや通信を駆使した情報技術に特化した「ITエンジニア」、システムの設計・開発・テストを手がける「システムエンジニア(SE)」、SEが作成した設計に基づいてプログラミングを作成する「プログラマー」、Webを利用したシステムを構築する「Webエンジニア」、ゲームを制作する「ゲームエンジニア」など、さまざまな職種があります。
他にも「ネットワークエンジニア」や「データベースエンジニア」など、約40種類もの職種があると言われています。
中でもWEB業界の求人倍率は、過去3年で5.1倍に増加したという結果が出ており、現在も増加傾向にあると言われています。他にはWEB制作関連のWEBデザイナーも、同業界で女性に人気のある職業です。
また、未経験可である求人も多くみられるのも特徴で、時間とともに誰でも慣れてある程度できるようになるので、初心者でも手が出しやすい職業であるためです。
そしてプログラミングというものは、数年間仕事としてしっかり取り組むと、自然とスラスラかけるようになるため、未経験でも大丈夫な仕事といえるようです。
もともとは男性の多い業界でしたが、最近では子供や女性に向けたプログラミング勉強会が開催されるなど、女性も参加しやすい環境を作ろうという動きも起こり始めています。
また今後2020年に向けて、IT分野では次世代コミュニケーションツールのIT技術開発などの新たな市場も見込まれています。現在もすでに求人数に対して人材不足とも言われている業界なので、女性であってもこれから一から学んで目指すのにも大変おすすめの業界と言えます。
6-1-2. 活かせる資格
- 全てのITエンジニア向け資格:基本情報技術者試験・応用情報技術者試験
- ネットワーク系エンジニア向け資格:CCNA/CCNP
- サーバー系エンジニア向け資格:LPIC(エルピック)・Oracle認定Java Programmer・ITIL
- データベース系エンジニア向け資格:ORACLE MASTER
- セキュリティ系エンジニア向け資格:情報セキュリティスペシャリスト
- Webデザイナー向け資格:HTML5プロフェッショナル認定資格
6-2. CADオペレーター
6-2-1. どんな仕事?
CADオペレーターとは、CAD(キャド)というパソコンを使った図面作成ソフトを使い、設計士のアシスタントとして図面を描いていく仕事です。CADのソフトウェアは主にオートキャド(AutoCAD)やVector Works、CATIAなどが有名です。
CADオペレーターの仕事はさまざまな専門分野に分かれています。
主には、機械系CADオペレーター、建築系CADオペレーターが有名ですが、近年は、庭などの建物外を設計するエクステリアCADオペレーターや、スマホなどの形状を制作する金型設計CADオペレーターも人気です。
基本的な設計は設計士が行うため、CADオペレーターは設計補助にあたります。そのため設計士ほどの知識は要求されませんが、設計士の指示を的確に把握するためにはある程度図面が読める必要があります。
CADオペレーターの仕事は、派遣やアルバイトであっても高時給が設定されているので、短時間で高収入が得られるというのも人気の理由です。またCADオペレーターは実務経験や実績が重要視されるので、資格がなくても経験を積んで技術を磨けば、好条件の仕事に携わることも可能なので、IT業界だけでなく、営業事務や医療事務などの各種事務業務のほか、販売業などからの転職者が多いことも特徴です。
2020年の東京オリンピックに向けて、都心部にはさまざまな商業施設がオープンします。それに伴い、CADオペレーターの需要は近年高まっているため、案件次第では、将来日本の歴史に名を残すような建造物の制作や、大型プロジェクトに関わることができるかもしれません。
また設計業務がある限り、今後も需要見込まれる職業であるため、独学であっても時代に即したスキルを磨いていけば、年収アップを実現しながら年齢問わずに長期間活躍することができ、在宅やフリーランスという働き方も選べるでしょう。
これから先、業界では3次元(3D)CADの需要が高まることが予測されています。今はまだ3Dを扱える技術者も少ないため、今から2次元CADをしっかり習得し、将来に向けて3次元CADも操作できるようになっておくとさらに将来の展望も広がるでしょう。
未経験からCADオペを目指すなら、就職支援付きの無料CADスクールに通ってみるのもおすすめ。
業界トップシェアのCADソフト「AutoCAD(オートキャド)」の基本操作を一から丁寧にレクチャーしてもらえます。スキルを身に付けた後も、就職までしっかりサポートしてくれるのではじめての方でも安心して習得できるでしょう。
CADオペレーターの仕事や働き方についての詳細は、以下の記事を参考にしてみてください。
関連記事:
・CADオペレーターってどんな仕事?設計士との違いや目指し方を解説
・CADオペレーターに向いてる人とは?適正条件と望ましいスキル10個
・CADオペレーターは辛い仕事?一番大変なことや残業の実態を調査
・CADオペレーターの将来性と需要|独立は可能?何歳まで働ける?
・CADオペレーターの平均年収は?年齢・働き方・エリア別に徹底比較
・CAD初心者必読!目指せる仕事や資格は?無償CADや学び方など
6-2-2. 活かせる資格
- CAD利用技術者試験
- 3次元CAD利用技術者試験
- CAD実務キャリア認定制度
- パソコン技能検定CAD試験
- CADトレース技能審査
- 建築CAD検定試験
- 建築CADデザイナー資格認定試験
- Autedesk Master
- Vector Works操作技能保持者認定試験
- RIKCADオペレーション技能検定
参考記事:
・CAD利用技術者試験とはどんな試験? 試験概要から合格率までまとめました
・建築CAD検定試験とはどんな試験? 試験概要から合格率までまとめました
・CADトレース技能審査とはどんな試験?試験概要から過去問題や合格率までまとめました
6-3. 介護職
6-3-1. どんな仕事?
介護の仕事は、介護施設の利用者の方が快適に暮らせるようにお手伝いをすることです。
基本的には、利用者の方を肉体的、精神的に支えるのが主要な役目となります。そして介護施設では主に「介護職員初任者研修修了者」「介護職員実務者研修修了者」「介護福祉士」他の有資格者が業務を担っています。
では、無資格だと介護の仕事が行えないかというと、そんなことはありません。
高齢化が進む今、福祉系の介護業界は人手が大変に不足しており、多くの施設が働き手を求めています。このため資格保持者以外を採用するケースも増えており、無資格であっても、未経験から介護業界で活躍することは十分に可能なのです。
しかし有資格者と比べると仕事内容が制限されるため、無資格のまま働き続けても、介護スキルを上げていくことは困難なのも現状です。
そのため、未経験者OKの求人も多く、スキルアップ制度にて充実研修を受けることができる企業の多いので、働きながらホームヘルパー資格の勉強することも可能です。また、資格を取得することを支援してくれるデイサービスセンターも多く、さらに資格保有者であれば別途手当てが支給され、さらに給与のアップも見込むことができます。
2017年9月に総務省発表した最新の人口推計によると、90歳以上の人口が9月15日時点で1年前より14万人増えた206万人となり、初めて200万人を突破し、総人口に占める65歳以上の割合は27.7%と、過去最高の記録に達しました。
そして介護保険制度が始まったのは2000年。それからは、高齢者の増加とともに年々急速に拡大している業界のため、他業種からの転職者が多いのも特徴です。
上記の資格の他に、看護師、介護支援専門員、保健師、社会福祉士、簿記、調理師、管理栄養士、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、自動車運転免許などの資格を活かして働くことも可能となります。
また活かせる資格に国家資格が多いことも特徴で、今後もさらなる需要が見込まれることから、今から介護士資格を取得しておくことを考えはじめる人が増えているようです。同じく介護関係の業界では、他には介護報酬請求業務(レセプト作成)を行う介護事務や、介護アロマセラピストなどの仕事も女性に人気があります。
長寿化に伴って人口の高齢化が進んでいる今、介護の仕事は現状も担い手が不足しています。そのため、数ある「手に職」系の仕事の中でも、ステップアップしながらチャレンジしやすいうえ、採用率も高い将来性のある仕事と言えるでしょう。
6-3-2. 活かせる資格
- 介護職員初任者研修
- 介護職員実務者研修
- ケアマネジャー(介護支援専門員)
- 介護福祉士
- 社会福祉士
- 看護師
- 栄養士
- 理学療法士
- 作業療法士
- 精神保健福祉士
- 介護事務
6-4. ネイリスト
6-4-1. どんな仕事?
ネイリストとは、爪のお手入れや装飾を施すなど、手や爪をきれいに見せるスペシャリストのことです。
爪の形をさまざまな形にきれいに整えたり、爪にネイルアートを施すことが主な仕事で、「手に職」を付ける美容系の仕事の中では、女性にとって特に人気のある職業です。
ネイリストは美容師のように免許や資格を持つことが必須ではありませ。しかし基本的には接客業であるため、資格を持っていると技術の保証を分かりやすく示すことができるので、お客様に安心感と信頼を与えることができます。
またネイリストの場合は、資格があるだけで就職活動も有利になります。資格試験には筆記と実技があり、試験内容は技術に関する知識だけではなく、ネイルの歴史や爪の構造や病気など、爪に関するあらゆる問題が出題されます。
そして実技試験では、ネイルケアやカラーの他、アートやエクステンション(長さ出し)など、様々な技術を時間内で施術しなくてはなりません。
実際の資格試験では、キレイに仕上げるだけでなく、正しい順序や工程で行うという基準もあるため、初心者の場合は独学では難しいとも言われています。そのため未経験から資格を取得するためにはスクールや専門学校で直接プロから学ぶことが望ましいとされています。
ですが未経験者可の求人も多く、まずは無資格でネイルサロンに入社し、働きながら技術を身に付け、効率アップで資格を取得する方も多くいます。
ネイリストの資格の中で最もおすすめは「JNECネイリスト技能検定」です。
理由は「JNECネイリスト技能検定試験3級以上」を持っていれば、「JNAジェルネイル技能検定試験初級」の実技試験が免除されるからです。 そして両者は筆記試験の内容も比較的似通っているため、効率的に受験勉強を進めることができます。
ネイリストの給与は基本給や時給はそれほど高いとは言えませんが、サロンによっては指名料制や歩合制を設けているところもあるので、デザインや技術を気に入ってもらい指名が入るようになれば給料アップも見込むことができ、さらに経験を積めばネイルサロン経営者やサロンオーナーとして独立するのも夢ではありません。
最近では、自宅の一室を仕事場とし、隠れ家的サロンとして独立開業する女性も多くいます。
ジェルネイルは最低でも月一回メンテナンスをする必要があるため、固定客さえいれば定期的に安定した収入も見込めるのも人気の理由です。
ネイリストは手先が器用な方やデザインやものづくりが好きな女性にもおすすめの職業です。またネイリストは、ネイルサロンだけでなく、ブライダルや美容室で活躍することも可能です。ファッション感覚でネイルをする女性が増えている今、今後も安定して働くことができる仕事の一つと言えるでしょう。
6-4-2. 活かせる資格
- JNECネイリスト技能検定
- JNAジェルネイル技能検定
- JNA認定ネイルサロン衛生管理士
- JNA認定ネイルサロン技術管理者
6-5. インテリアコーディネーター
6-5-1. どんな仕事?
インテリアコーディネーターとは、要望にあわせて室内全体のインテリアをコーディネートを行う仕事です。
「こんなイメージの空間にしたい!」という要望をおおまかにヒアリングし、相手のライフスタイルを考慮しながら、使い勝手がよくデザイン性が高い、居心地の良い空間を作り上げます。
部屋の壁紙や床材などのコーディネートだけでなく、家具やカーテン、照明器具などの提案まで、クライアントのイメージに合わせながら、室内全体のデザインを提案をしていきます。
したがって、インテリアコーディネーターには、単純に家具や内装についての知識だけでではなく、建築を含む内装設計の知識や、色彩の知識などデザイン業務全般におけるスキルを身に付けておく必要があります。
また内装工事にも立ち会うため、建築士や現場監督、設備メーカーや施主(クライアント)など、常に多くの人と関わり仕事を進めていく必要があります。そのため、人と接するのが好きな方やセンスを活かしながらクリエイティブな能力を発揮して働きたい女性にもおすすめの仕事です。
インテリアコーディネーターは女性にとって大変人気のある職業です。
特に資格がなくても仕事をすることはできますが、さらに資格を保持していれば就職・転職においても有利となり、クライアントにも安心や信頼を与えることもでき、独立する場合も実績の証明となるでしょう。
主な就職先はハウスメーカーや家具メーカー、リフォーム・設備関連などの住宅業界ですが、福祉関連の業界からの求人依頼も数多く、「福祉住環境コーディネーター」資格を合わせて取得しておくと、活躍の場はさらに広がります。
インテリアコーディネーター資格試験では筆記試験の他に、手書きで図面を作成する実務試験もあります。そのためCAD(キャド)の技術もあらかじめ習得しておくと資格取得にも大変有利です。
そのため、CADオペレーターとして働きながら図面の描き方を学び、インテリアコーディネーター資格や、さらにキッチンのコーディネート設計に特化した「キッチンスペシャリスト」資格を取得する方も数多くいます。インテリアコーディネーター資格やキッチンスペシャリスト資格についての詳しくは以下の記事をご覧ください。
参考記事:
・業種未経験でも取得できる!インテリアコーディネーター資格とは?
・女性の就職・転職に有利!今注目の「キッチンスペシャリスト資格」とは?
4-5-2. 活かせる資格
- インテリアコーディネーター
- キッチンスペシャリスト
- 建築CAD検定試験
- 色彩検定
- カラーコーディネーター検定
7.どんな職業を目指せばよいか分からないときは…?
では「手に職」をつけるには、実際に何のスキルを身に付けたらいいのでしょうか? そしてどんな最終的に職業を目指せばいいのでしょうか?
「好きなことを仕事にしたいけど本当に安定するの?」「履歴書に空白ができるのが心配・・」「転職回数が多いと再就職できなくなるのでは・・」など、せっかくやってみたいと決めた目的を実行する前になると、実際に躊躇される方も多くいます。
そうこうしているうちに、さまざまな不安が先立ち、すべてのリスクを避けて好きな仕事でなくても確実に就ける安定した仕事を選ぼうとする結果、何度転職をしても結局は今と同じような仕事しか選べなくなってしまいます。世の中にはたくさんの職業があります。
その中に「適職」や「天職」と呼ばれる仕事があります。一般的には、特に好きというわけではないけれどお金は得られるものが「適職」、生まれ持った能力を生かし、すぐにお金にはならないけれど、自分が喜びを感じられるものが「天職」と呼ばれています。
天職と呼ばれる仕事は、多くの場合その分野のパイオニアとなるわけですから、はじめてすぐにお金になることは稀で、必ずしも生活を保障するものではない場合がほとんどです。
そのため副業をしている方の多くは、天職を補う形で適職を副業にしているとも言えます。そういったことを踏まえて統計を見ると、以前に比べて自分が楽しいと思える「天職」を仕事にしやすい時代になったと言えるのかもしれません。
大人である私たちは、一日のうちほとんどの時間を仕事に費やします。
それゆえに、せっかく手に職をつけるのであれば、楽しく充実感を得られる仕事を選んだ方が日々の生活が豊かになるはずです。そのためにまずは自分にとって興味があることや、やってみたいと思う事を明確にすることから始めてみましょう。
例えばCADオペレーターのように、女性だからこそ活躍できる仕事は実は豊富にあります。しかし確実に需要が見込まれることが生涯保障されていて、一気に何倍も年収がアップすることが初めから確約されている仕事などはほぼありません。
せっかく一から時間をかけて学ぶのですから、まずはやってみたいこと、興味があることから初めてみることをおすすめします。これを機会に「自分は何をすることを楽しいと思えるのか?」と一度自分自身の生き方を振り返ってみるのもよいかもしれません。
とはいえ、すぐにはそう簡単に見つからないことも多いでしょう。自分にとって楽しいと感じられることを発見する手がかりが欲しい時、毎日が充実できるような仕事をしたいと考えた時には、実際に楽しみながら仕事をしている人と話してみたり、以下のような本を読んでみるのもおすすめです。
「天職」がわかる心理学 いまの仕事で心が満たされていますか?
中越裕史(著)
【内容紹介】
日本で唯一のやりたいこと探し専門のカウンセラーが、あなたが本当にやりたいこと、心が満たされる仕事・働き方をやさしく指南。
【内容】
仕事に意味を感じるか、本当にやりたいことか、自分で考え、決定しているか。日本で唯一の「やりたいこと探し」専門の心理カウンセラーが、あなたが本当にやりたいこと、幸せになれる働き方を教えます。
出典:amazon
8.まとめ
「手に職」と言ってもさまざまな職業があります。他にもパティシエ、ソムリエ、フードコーディネーター、薬剤師、歯科衛生士、保育士、税理士、社会保険労務士、宅地建物取引士、医療事務、簿記、美容師、理容師、トリマー、ダンスやヨガ、スポーツのインストラクターなども挙げられます。
ここではIT系中心の人気職業について主に解説しましたが、女性には医療やセラピストの仕事も人気です。医療系資格は国家資格が多いため資格が収入に反映されやすいことと何より再就職しやすいというのが女性に人気のポイントのようです。
そればかりか最近では「ものづくり」ブームの影響から、DIYを趣味に持つ女性が増え始め、なんと「職人」を志望する若年層の女性が急増しています。
そして若い世代だけではなく、ミドル・シニア世代であっても手に職を付けたり、専門分野のスペシャリストとして、セカンドキャリアを築いていくチャンスは十分に可能です。
このように新しい時代に向けて、今働き方は徐々に変わりつつあります。
旧来のように皆が一律同じキャリアマップを描くことが難しくなった今、これからの時代は「どんな考えを持ち、どんなスタンスで仕事を選ぶのか?」という、個々の在り方がより一層重要になってくるとも言われています。
そして、何事も成功させるためには時間が必要です。それには「長い期間楽しんで続けられるかどうか?」ということが大切です。そのためには、まず自分が「好き」なことを選ぶ必要があります。
もちろん時代の流れに乗ることやキャリア需要の有無という要素も大切ですが、好きなことでなければ誰しも長続きはしません。
最終的にはキャリアチェンジの先も、それだけで収入が成り立つようにしていく必要はありますが、一旦「お金を儲ける」という意識を横に置き、自分が好きなことや夢中になれることを選んでみるのも一つの方法です。
将来的に自分が好きな専門分野で「手に職」を付けて働いていけるよう、まずは楽しみながら打ち込むことができる「ものづくり」の趣味を見つけ、気軽な気持ちで挑戦してみてはいかがでしょうか。