憧れのインテリア業界で働きたい!家具・インテリア業界の売上最新ランキングから役立つ資格まで徹底解説
おしゃれで華やかなイメージのインテリア業界。デザイナーズ家具のショップスタッフ、インテリアデザイナーやインテリアコーディネーターなど、インテリア業界で働くことに一度は憧れる女性が多いのではないでしょうか。インテリア業界にはさまざまな職業があります。具体的な仕事内容や働き方、未経験から目指す方法や役立つ資格まで、今のインテリア業界の動向について徹底解説します。
目次
- 3. これからどうなる?家具・インテリア業界の動向
- 3-1. ベット市場の増加とこれからの家具業界
- 3-2. インテリアデザイナー・インテリアコーディネーターの需要は増加傾向に
- 3-3. インテリアのリフォームとリノベーションの需要が増加
- 4. インテリア関係のお仕事ってどんな種類があるの?
- 4-1. ショップスタッフ
- 4-2. ショップバイヤー
- 4-3. ショールームコーディネーター
- 4-4. インテリアコーディネーター
- 4-5. インテリアデザイナー・インテリアプランナー
- 4-6. CADオペレーター
- 4-7. 家具デザイナー/家具職人
- 5. 未経験から始めるインテリア業界での働き方
- 5-1. インテリア業界に向いてるタイプはどんな人?
- 5-2. 採用で重視・優遇されるポイントは?
- 5-3. 未経験から働くのに大切なことは?
- 5-4. ライフイベントに合わせて働ける女性にうれしい業界
1. インテリア業界ってどんな業界?
インテリアには4000年の歴史があります。豊かな自然と四季に恵まれた日本は、古来よりインテリアの感性を磨いてきた民族で衣服や住居の衣替えはその頃からの慣習です。インテリア業界は過去の文化と歴史を継承しながらもファッションと同じく、毎年常に新しいトレンドが生まれるという温故知新な業界です。
1-1. インテリア業界とは?
「インテリア業界」とは、家具の他、カーテンなどの繊維製品、照明器具、壁紙や床材、建材や設備機器、流通やサービスなどの多様な業種を含み、それぞれの「インテリア」に関連する部分だけを集めてまとめた業界群のことです。日本のインテリア業界は、ひと括りにするのが大変難しい複雑な業界となっています。
企業の規模もさまざまで、特に家具メーカーは中小企業が多く、販売店などの小売業は大手企業が多いことも特徴の一つです。
インテリア業界は景気の影響を受けやすいのも特色で、近年は小売りの大手の出店傾向が大きく変化し、主要な企業は事業強化のため国内外で買収が進んでいます。これにはIKEAの日本への再参入の影響が大きいと言われています。特にここ20年、経済のグローバル化とインターネットの普及によりインテリア業界は目まぐるしく変化しました。
インテリア業界では毎年、世界各地でインテリア、家具、照明、デザインに関するさまざまな国際見本市が開かれています。ドイツでは毎年1月にインテリアの見本市「ハイムテキスタイル」が開催され、世界中の3000社が出展し、全世界から10万人規模の来場者が訪れます。展示会では、様々なショーやワークショップなどが開催され、テキスタイル分野だけではなく、ファッションなど別分野へもトレンド発信源としての役割を果たしています。ここでのトレンドは日本にもオンタイムに反映され、その影響力は絶大です。
国内では年1回開催される「JAPANTEX」が有名です。日本インテリアファブリックス協会が主催する国内最大級の展示会で、最先端のインテリアトレンドに直に触れることができます。日本でもインテリア関連の展示会は年々増えつつあります。社会の多様化に伴い、日々の生活や仕事の場が重視される今、インテリア業界は、各分野の業界からも非常に注目を浴びています。
1-2. どんな業種があるの?
先の理由から、インテリア業界は業種を分類するには非常に複雑です。 カーテン、カーペット、壁紙など、建物の内装資材全般を扱う企業を「インテリア商社」「インテリア総合商社」などと呼びますが、何をもって「インテリア業」とするかは場合により異なります。ベッドや枕、布団、毛布等の寝具類を製造販売する企業もインテリア業に括られますが、大きく分けると次のようになります。
- 家具関係(テーブル・イス・ソファ・収納・ベッドなど)
- ファブリック関係(カーテン・壁紙・床材・カーペット・毛布などの寝具など)
- 住宅設備関係(キッチン・バス・トイレ・照明器具)
- 建材関係(壁紙・床材・タイル・建具など)
2. 家具産業とは?
食べる、くつろぐ、寝る、仕事をする・・・家の中ではさまざまな過ごし方があります。それぞれの日常シーンに合わせた適切な家具を部屋の中に配置しなければ、インテリアコーディネートは完成しません。家具にはテーブル、ソファ、ワークデスク、チェアなど用途や機能にあわせた種類がたくさんあります。このように、私たちは様々な用途別に生産された家具製品に囲まれて生活しています。
2-1. 家具業界の市場は2種類
リビングから寝室まで、私たちの生活を快適にし、住まいの空間を彩る家具。そのさまざまな家具を製造・販売または仕入れ・販売するのが家具業界です。日本における家具産業は、欧米とは異なった位置付けがなされてきました。欧米では、家具は家具という産業として単独したカテゴリーに分類され、文化的にも尊重されてきましたが、日本においての家具は、インテリア業界の一部として扱われています。また家具産業の市場はさらに細分化され、「家庭用家具(ホーム家具)」と「オフィス家具」の2つの市場に分かれています。
オフィス家具とは、オフィスで使われるデスク、椅子、書棚などの什器のことです。一方、ホーム家具とは,家庭内で使われる食器棚、ソファ、テーブル、椅子などを指します。ホーム家具の代表的なメーカーにはカリモク、カッシーナ・イクスシー、大塚家具、ニトリ、IKEAなどがあり、オフィス家具ではコクヨ、岡村製作所、内田洋行、イトーキ、プラスなどが挙げられます。また家具業界は製造業、卸売業、小売業という流通機構にも分類されています。
2-2. ホームファニシングストアの「ニトリ」と「IKEA」
業界を語る上で近年よく比較されるニトリとIKEA。この2社はそれぞれどんな特色があるのでしょうか。 ニトリは家具業界では珍しく、GAPやユニクロなどのように、製造から小売りまでを自社で統合するアパレル業界のSPA(製造小売業)と呼ばれる業態を導入し、自社で企画開発した商品を海外で作って輸入することで低価格を実現しています。かつてのニトリといえば、郊外の国道沿いにある大型店というイメージでしたが、最近では新宿、池袋、銀座などの都心に続々店舗を拡大しています。2017年6月には、渋谷シダックスビレッジの全9階を活用し、都内最大の「ニトリ渋谷公園通り店」をオープンさせ、店舗面積は1,510坪と山手線沿線では最大の店舗となりました。現在、インドネシアとベトナムに生産拠点を起き、2017年9月現在、国内には471店舗以上展開しています。ニトリは住空間をトータルでコーディネートする「ホームファニシング」という業態を国内で初めて確立した企業としても知られています。
イケアはスウェーデン発の世界最大の家具販売店です。北欧のハイセンスなデザインとコストパフォーマンスの良さから、日本でも感度の高い若年層を中心に支持されています。2017年10月に愛知県長久手市に新店舗をオープンさせたイケアですが、45年前の1972年、渋谷の東急百貨店と並び、名古屋の名鉄百貨店に国内1号店がオープンしました。日本では「桐だんす」や「ちゃぶ台」が主流だった当時、カラフルでおしゃれなイケアの家具は高級家具として扱われ、20代の若い女性を中心にとても人気があったようです。しかし当時は、完全セルフ方式が一般的に受け入れられず、現在のような独自のロジスティクスシステムが実現できなかったこともあり、1986年に一度日本から撤退しました。そして2006年に千葉県船橋市に再上陸後、現在も着々と店舗を増やしています。
2017年5月には待望の通販「IKEAオンラインストア」がスタートし、今後イケアは従来型の大型店だけでなく小型店舗を含め、2020年には国内14店舗を目指す方針を明らかにしています。もともとニトリの経営方針や事業展開は、イケアをお手本にしたとも言われていますが、現在ではどちらも「ホームファニシング」分野でのトップブランドとして君臨しています。
出典:中日新聞
2-3. インテリア業界の最新ランキング
日本のインテリア業界では今、どの企業が好調なのでしょうか?
出典:業界動向サーチ
これは平成27年から平成28年のインテリア業界売上高ランキングです。1位はニトリホールディングス、2位は無印(良品計画)ですが、3位のコクヨはオフィス家具部門の1位となっています。オリジナルブランドにこだわりを見せる2位の無印良品は「体にフィットするソファ」のヒットも記憶に新しく、最近特に急激に売り上げが伸びています。ニトリも無印も、日本での企画開発のセンスを活かして世界各国に出店し、好調に売り上げを伸ばしているのが特徴です。主要都市を中心にインテリアブランド「unico」を展開するミサワも近年業績を伸ばし、イタリアの高級家具「カッシーナ」の日本代理店であるカッシーナ・イクスシーも、圧倒的な人気とブランド力でランクインしています。
3. これからどうなる?家具・インテリア業界の動向
インテリア業界は大きく分けると建築業界にも属します。趣味や自分の好みを楽しむ人たちが増えた今、よりセンスの良い環境づくりが住宅に求められています。一般家庭でも自分のアイデアを生かし「DIY」でインテリアや家具をリメイクする人も多く、上質な室内環境や自宅で快適に過ごす時間を重要視する人が年々増えているようです。今後のインテリア業界はどのような動向が予測されるのでしょうか?
3-1. ベット市場の増加とこれからの家具業界
家具業界では今、ベッドの市場が好調です。その理由にはの高齢化社会の影響が挙げられます。高齢者の数が年々増加しているため、高額な介護ベッドなども売上が伸びています。今後の少子高齢化の影響を家具業界も大きく受けていると言えます。
現在は少子化や、新設住宅着工戸数の減少により家具が売れない時代になってしまいました。そのため家具業界は現在、長期縮小傾向にあります。そのため今後の業界では「家具」主体ではなく、雑貨、テキスタイル、さらにアパレルまでも含む「住空間の総合提案」を行っていくことが鍵となっています。そのため今後は各社とも、ニトリやイケアのような「ホームファニシング」業態を取り、トータルな事業戦略を重視した事業展開が進むと予測されています。
3-2. インテリアデザイナー・インテリアコーディネーターの需要は増加傾向に
ショップやレストラン、ミュージアムなどの商業施設は、常に最新のインテリアデザインやトレンドを追い求めます。一般住居においても、リフォーム案件は年々増える一方です。近年、質の高い生活を求める人が増加し、ユーザーの感性やセンスが高まりつつあるため、商業施設だけでなく一般住宅でもプロによるハイセンスなコーディネートを求める人が増えてきています。またハウスメーカーやインテリアショップ専属のデザイナーだけでなく、直接オーダーを受け、個人住宅をコーディネートするフリーランスのデザイナーも増え、インテリアデザイナーの需要は現代にはもはや必須となってきています。
3-3. インテリアのリフォームとリノベーションの需要が増加
インテリア業界で今後、特に需要が増えると言われているのが「リフォーム」と「リノベーション」です。
「リフォーム」とは、築年数が経ち、老朽化した建物を新築のようなきれいな状態に戻すことを指します。一方「リノベーション」とは、既存の建物に大規模な工事を行うことで、新築の時よりも性能を向上させたり、価値を高めたりすることを指します。リフォームがマイナスの状態のものをゼロの状態に戻すための機能の回復という意味に対して、リノベーションはマイナスかゼロの状態に新たな機能や価値を加え、プラスαの状態にすることを意味します。
このように最近では、商業施設も一般住宅も、築年数が経過してもすぐに壊したりはせず、既存の建物を活かし、内装やインテリアのみをリニューアルするケースが増えてきています。そのためリフォームやリノベーション案件では、インテリアデザイナーやインテリアコーディネーターの存在が必要不可欠です。これからのインテリアデザイナーにはこれまでのように最新トレンドや顧客のに沿った提案だけでなく、古いものと新しいものを調和させるセンスも必要な能力の一つとなるでしょう。
4. インテリア関係のお仕事ってどんな種類があるの?
多種多様な業種のあるインテリア業界では働き方もさまざまです。実際のインテリア業界には具体的にどんな職業があるのでしょうか?中でも女性に人気のある職種をここでは詳しく紹介します。
4-1. ショップスタッフ
インテリアショップとは家具や雑貨などのインテリア関連の商品を取り扱う店舗のことです。主な仕事内容は接客・販売・レジ業務、商品の検品や発注、品出し・入れ替えなどです。季節やイベントに応じて店内のレイアウト変更やディスプレイ設置など、仕事の幅は広く、中でもメインはお客様への接客です。ただ商品を勧めるのではなく、お客様の相談に乗ったり、こうしたいという要望を伺ったりしながら、それに合った商品を提案したり、一緒に選んであげる事が大切です。お客様の求めることを把握し、的確なアドバイスを行うことが重要です。
また接客業という仕事柄、立ち仕事が多く、家具の組み立てや荷物の搬入など力仕事が多いこともあります。未経験からでも商品知識を身に付けながら働くことも可能です。毎日おしゃれな雑貨や家具に囲まれて仕事ができるので、インテリアが好きという人なら楽しく働く事ができるでしょう。
4-2. ショップバイヤー
ショップバイヤーは、今売れそうな商品を見極めて仕入れることが大切です。多くのお客様に買おうと思ってもらえるような、売れる商品を見極めるセンスがバイヤーには必要です。そのためバイヤーは、各分野のトレンドや業界の動向など、膨大な情報を常に集めています。
特に各業界の最新情報を知ることは非常に重要です。しかし、経験を積んだベテランのバイヤーでも毎回確実に大当たりするわけではありません。バイヤーにはセンスや感性が求められますが、結果として売上の数字で評価が明確に判断される仕事です。
インテリアも、ファッションと同じくトレンドがあります。そのためバイヤーは常に人気の動向やこれからの流行りそうなものをいち早くキャッチしてショップに反映させていく必要があります。「このお店、いいな」と思ってもらえる商品選定が重要です。バイヤーはショップのセンスを決定づける仕事と言っても過言ではありません。
4-3. ショールームコーディネーター
ショールームコーディネーターとは「家を新築するのでもっと快適なインテリアにしたい」「部屋のこの部分が使いにくくて困っている」といった、大まかな希望や漠然とした問題を抱えて訪れたお客様に対応し、たくさんの商品の中から使う方や使う場所のニーズにあった商品を選び、提案をする仕事です。
ショールームはいわばそのメーカーの「顔」です。メーカーやその商品によいイメージを持ってもらえるよう、笑顔で明るい接客をすることが大切です。他にもお客様の要望を的確にヒアリングし、詳しい商品の説明や提案から見積もり作成、館内の整備まで、仕事の範囲は多岐に渡ります。膨大な商品知識や上質な接客マナーも重要のため、多くのの企業では充実した座学研修やOJT研修を設けています。そのため業界未経験者であってもゼロから安心してスタートすることができるでしょう。
4-4. インテリアコーディネーター
インテリアコーディネーターとは、お客様の要望にあわせた住環境をデザインし、総合的にプロデュースするお仕事です。主な仕事内容は家の内装のアドバイスや見積もりの作成、施工管理などです。
依頼者の価値観や住む人のライフスタイルなどを考慮した上で、要望に合わせた快適な空間を提供するのが主な業務内容になります。
詳しくはこちらの記事を参照してください。
参考記事:
・業種未経験でも取得できる!インテリアコーディネーター資格とは?
4-5. インテリアデザイナー・インテリアプランナー
仕事内容はインテリアのコーディネートだけではなく、内装の企画と設計をすべて行います。インテリアコーディネーターに比べ、建築物の内装に関する企画から、設計、工事監理までを担い、建築・製図や施工管理までも行うため、より専門的なスキルが必要とされる仕事です。
また、デザインするコンセプトに沿って全体の色味、造作、トーン、灯り、音、温度まで、トータルで室内を演出・監修します。案件も商業施設、公共施設、学校や住宅など幅広く扱います。
勤務先や案件、その人のスキルによっても仕事内容は異なりますが、住まいをデザインする分野ごとの幅広い知識が必要です。
防災や安全性などさまざまな視点から考えられたインテリアを設計するため、建築に関する知識の他に、法律の知識まで、あらゆる専門分野の見識を身に付ける必要があります。現場では施工会社と連携を取りながら職人さんに指示を出したりもします。クライアントへの引き渡しまでが仕事ですが、自ら手掛けた内装のアフターフォローも業務の一つです。そのため、一つのプロジェクトにかかわる期間は長めと言えます。ハウスメーカーや設計事務所の他、デザイン事務所に入れば、イベント設置やミュージアムなどの芸術的なセンスを活かしたプロジェクトに関与することできるかもしれません。
4-6. CADオペレーター
CADオペレーターとは「CAD(キャド)」というパソコンを使った図面作成ソフトを使い、デザイナーのアシスタントとして図面を描いていく仕事です。CADのソフトウェアは主にオートキャド(AutoCAD)やVector Works、CATIAなどが有名です。CADオペレーターはさまざまな専門分野に分かれており、機械系CADオペレーター、建築系CADオペレーターの他、近年は庭や建物の外構部の設計を専門に行う「エクステリアCADオペレーター」も人気です。
詳しくはこちらの記事を参照してください。
参考記事:
・CADの仕事 基礎知識から資格、給与、求人転職市場まで一挙説明
・CADの仕事 CAD オペレーターとは/ 仕事内容・資格取得・給与や年収について
4-7. 家具デザイナー/家具職人
家具デザイナーとはテーブルや椅子、チェストやベッドなど、さまざまな種類の家具を製作する専門家で、住空間に必要なあらゆる家具のデザインを行います。家具デザイナーは、家具の設計や完成までのすべての工程に関わり、トータルで家具づくりをプロデュースします。1点物のオーダーメイド家具を制作することもあります。インテリアデザイナーと共にクライアントとの打ち合わせに同行し、内装設計に関わる事もあります。家具デザイナーになるためには、素材の知識、造形学、設計技術、3次元パースの制作技術、CAD(キャド)などをはじめとする、専門的知識や技術を、仕事として生かせるよう、スキルを身に付ける必要があります。
このように家具デザイナーが一から家具を企画し設計まで行い、その企画や設計図を元に家具職人が家具を作りますが、働き方によってはデザイン段階から携わる家具職人もいます。未経験者から学ぶには、大学や専門学校、スクールなどで、専門的な各技術を習得する方法もありますが、実際に働きながらスキルを身に付ける方も多くいます。家具は日常に使うものなので、見た目の美しさやデザインだけでなく「使いやすい」ことが大事です。そのため、使う人の立場に立って、同じ目線で考えることができるような柔軟な思考を持つ人に向いていると言えます。また多くの人たちと協力し仕事をすすめていくため、同時に高いコミュニケーション力も必要です。
5. 未経験から始めるインテリア業界での働き方
インテリア業界での働き方はさまざまです。雇用形態も正社員だけではなく、アルバイト、契約社員、派遣社員、業務委託など、経験やスキルによって色々な働き方を選択することも可能です。これから未経験からインテリア業界で働く人のために、就職に役立つポイントを詳しく解説します。
5-1. インテリア業界に向いてるタイプはどんな人?
インテリア業界に向いている人はどんなタイプなのでしょうか?一般的によく言われている適性は次の通りです。
- インテリアや家具、デザインに興味がある
- 人と会うこと、話すことが好き
- トレンドの音楽やファッションに敏感
- 手先が器用、美的センスに自信がある
- 情報収集が得意、新しいものが好きである
- 集めた情報を整理して表現したり発信することが得意
- 柔軟な思考で、かつフットワークが軽い
- 約束を守れる、スケジュール管理が得意
- 相手の立場に立って考えることができる
- とにかくタフで体力に自信がある
デザイナー職であれば、スケジュール管理や情報の整理、アイデアを提案するための柔軟な思考なども必要です。トレンドや新商品を把握し、さらにその空間を使う人のことを考えたプランを提案するスキルを要求されるため、常に他者の立場に立って相手を思いやる気持ちを持つことも大切です。 そしてインテリア業界で働くためには、どの職種においてもまず「体力」があることが非常に重要です。忙しい時期には残業が続いたり、休日出勤も発生することも多くあります。朝から打ち合わせでさまざまな人と会い、日中いろいろな場所へ出向き、夕方会社に戻ってからデザインを考えたり図面を描き始めるという事も多々あります。そのため心身ともに「タフである」ということはこの業界で働く大きな強みになります。
5-2. 採用で重視・優遇されるポイントは?
インテリア業界で働くには、資格よりもまず実務経験の有無が重要視されます。 どんな専門業界でも言えることですが、企業は転職者に対し「即戦力」を求めている場合がほとんどです。そのため学歴不問の求人も多く、選考時に学歴よりも実務経験者を優遇する傾向は少なくありません。
未経験から志望する場合は、働きたい企業や希望する職種の募集を見つけたら、アルバイトや派遣社員などでもよいのでまず一度入社してみることをおすすめです。そこから実務と実績を積んだ後、さらに希望条件の合う企業へ再転職する方が多いこともインテリア業界の特徴の一つです。インテリア業界は持ち前のセンスを磨きと実績を培えば、雇用形態の選択肢は希望次第で必ず後から広がります。 また経験者が優遇される中で未経験者が採用されるには、実務に代わるものとして、先にインテリア関連の資格を取得もおすすめです。インテリアデザイナーやインテリアコーディネーターの資格は、仕事に関する基本的な知識は身に付けていることを証明すると同時に、インテリア関連の職種に対する熱意・意欲のアピールにもつながります。また現在のインテリアデザインは、ほとんどパソコンを使ったCAD(キャド)というソフトウェアで作図されています。そのためCADが操作できると未経験者でも非常に優遇されます。近年は3次元(3D)の需要も高まっているため、CADを使って3Dパースが引けるようになっておくと、この先もっと有利になるでしょう。
5-3. 未経験から働くのに大切なことは?
未経験から晴れて採用されたとしても、すぐにメインのデザインを任せてもらえるわけではありません。はじめは電話・来客対応や事務作業、提案資料や図面整理、掃除などの仕事を命じられることも多いでしょう。華やかでおしゃれな業界を期待して入社したはずが、実際は一見雑用とも思えるような仕事ばかりの日々にがっかりするかもしれません。しかし後々、こうした仕事が商品知識や顧客対応を学んだり、製図のコツやセンスを掴むための大切な経験となっていたと分かるはずです。そのため、駆け出しのうちは「どんな仕事でもやってみよう」という気持ちを持ち、周りを見て学びながら、実務経験を積んでいくことを考えましょう。
また学生であれば、就学中からデザイナーアシスタントのバイトをしたり、インターンシップを利用して実際の職場に出向き、現場で経験を身につけておくのもよいでしょう。 そして、今は必ずパソコンスキルが求められます。見積りや各種資料作成するためにはWordやExcel、PowerPointも必須です。図面を描くために使うAutoCAD(オートキャド)、Vectorworks (ベクターワークス)などのCADソフトや、提案書やパースを加工するためのIllustrator(イラストレーター)、Photoshop(フォトショップ)などの画像加工ソフトも合わせて習得しておくと就職に大変有利となるでしょう。
5-4. ライフイベントに合わせて働ける女性にうれしい業界
インテリアコーディネーターやインテリアデザイナーは、結婚や出産など女性のライフイベントにあわせて働くこともできます。実務経験がものを言う業界のため、結婚や出産を経て、再び以前と同じ職場に復帰するケースも多く、平均勤続年数が長い方が多いことも特徴です。 また働き方も様々で、企業にとって必要な人材と判断されれば、比較的個人の希望が通りやすい業界とも言えるでしょう。結婚して子供を持っても復帰しやすいこと、また結婚や育児の経験をそのまま仕事にも生かせることが、インテリアコーディネーターの強みとも言えます。
また転職を希望する場合、実務経験者であれば多少のブランクがあっても、別の企業で再び同じ職業で採用されやすいというメリットもあります。復職後はフルタイムでさらに専門性を深めたり、プライベートとのバランスを取りながら、自分に合わせて長期的なキャリアを考えることができます。近年では技術スキルの高い女性も増えたこともあるため、そういった女性が結婚後も働けるよう、時短や週3~などの求人募集を出す大手企業が増え始めたようです。このように女性のライフスタイルに合わせて働ける環境が、今後より整う業界であるということが期待できます。
6. インテリア業界で役立つ資格や身に付けておきたいスキル
インテリア業界では、実は資格がなくてもインテリアデザイナーになることは可能です。国家資格である「建築士」のように、有資格者でなければ家を建てることができないという法律上の決まりはないですが、資格があればより分かりやすく実力を証明できるでしょう。ここではインテリア業界で働く際に役立つ資格やスキルを紹介します。
6-1. インテリアデザイナー
インテリアデザイナーになるには必須免許や必要な資格試験はありません。インテリアデザイナーには専門知識だけでなくセンスも必要です。そのためアートや音楽に触れたり、本を読んだり、ミュージアムやショールに出向いたり、普段から感性を磨くことが大切です。実力がつくまでには多くの経験が必要です。しかし資格取得はその後のキャリアップや就職をする際にもとても役立つものでもあります。「インテリアデザイナー」としての資格は、日本デザインプランナー協会が主催する次の資格が挙げられます。
-
インテリアデザイナー認定試験
- 運営元:日本デザインプランナー協会(JDP)
- 受験資格:特になし
- 受験方法:在宅受験
- 受験方法:70%以上の評価
日本デザインプランナー協会は、デザイン技術の各スキルの水準がある一定以上であることを認定する機関です。
同協会は、「インテリアアドバイザー認定試験」の資格も主催しています。
また「公益社団法人日本インテリアデザイナー協会」という団体に加入すると、会員の特典として会員証の発行をしてもらえるため、職業的身分の証明に役立ちます。こちらは資格ではないので、入会金(20,000円)と年会費(45,000円)を収めて手続きをすれば会員になることができます。会員になると、経産省デザイナーデーターベースへ登録されたり、文芸美術国民健康保険制度への加入できたりなど、仕事をする上の利点が数多くあります。そのため特にフリーランスのデザイナーは入会するだけで恩恵が受けられるでしょう。入会にあたり書類審査と推薦人が必要ではありますが、インテリア関連の仕事の実績があれば、誰でも入会することができます。
6-2. インテリアプランナー
インテリアプランナー(IP)とは、インテリアの企画・設計・工事監理等を行う専門家で、国土交通省所管の財団法人「建築技術教育普及センター」が認定するインテリアプランナー資格者です。現在、全国で約 8,600 人の資格者がインテリア業界のさまざまな分野で活躍しています。
インテリアプランナーとは、いわば「インテリアの設計士」です。インテリアコーディネーターが主に室内のコーディネートや、ショールームアドバイザーが主な業務であるのに対し、インテリアプランナーの仕事は住宅以外にも商業施設、オフィス、ホテル、イベント会場、学校、病院、美術館、駅・空港など、あらゆる建築物の内部空間を企画から設計・積算・プレゼンテーション・工事監理まで一貫して行う業務となります。インテリア関連資格での位置づけは、インテリアコーディネーターの上級資格と言えるでしょう。
-
インテリアプランナー資格試験
- 運営元:財団法人 建築技術教育普及センター(JIPA)
- 受験資格:特になし
- 受験方法:筆記と実技
- 試験の構成:「学科試験」及び「設計製図試験」により構成
- 合格基準:学科試験は30点満点中、17点以上で合格
6-3. インテリアコーディネーター
インテリアコーディネーターとは、お客様の要望にあわせた住環境をデザインし総合的にプロデュースする仕事です。インテリアコーディネーター資格は社団法人インテリア産業協会が認定する民間資格で、毎年1万人以上が受験しています。インテリアコーディネーターは非常に人気の高い職業で、インテリアデザイナー同様、資格がなくても仕事をすることはできます。ですが、さらに資格があれば就職・転職においても有利となり、クライアントにも安心や信頼を与えることもできるようになり、資格があれば独立する場合も実績の証明となるでしょう。 詳しくは以下の記事を参照して下さい。
参考記事:
・業種未経験でも取得できる!インテリアコーディネーター資格とは?
6-4. CADのスキルが強力な武器に
「CAD(キャド)」とはパソコンを使って図面を作成するソフトのことです。中でもAutoCAD(オートキャド)やVector Works(ベクターワークス)というCADは、インテリア業界で使用している企業が多く、人気があります。 インテリア業界においてCADというアプリケーションを操作できる技術は、デザイナーやコーディネーターとして仕事をする上で非常に重要です。近年、インテリア業界では手描きではなくCADを使って図面を描く方法が主流となりました。その理由は次の通りです。
- 精度の高い図面が作図できる
- 手描きに比べて図面の修正が簡単に行うことができる
- 図面を「データ」として共有しやすい
そうは言っても「いきなりCADソフトからというのはちょっとハードルが高いな…」と思われた方には、以下の記事を参考に、無料で遊べる間取りアプリやCADアプリから始めてみるのもおすすめですよ。
CADオペレーターとして働きながら専門知識を身に付け、インテリアデザイナーになるというキャリアパスも方法の一つ。「CADを使って図面を描ける」という専門スキルは就職や転職で強力な武器となり、インテリア業界でのキャリアマップが描きやすくなるでしょう。CADオペレーターとはどんな仕事なのか?また女性が手に職を付けておくことどんなメリットがあるのか?については、こちらの記事をチェックしてみてくださいね。
参考記事:
・CADオペレーターの実態を徹底調査!必ず役立つ業界知識を総まとめ
・女性が今「手に職」をつけるべき理由とは?新しい時代の働き方を解説
・【女性の平均年収】年代別・職種別ランキング|年収アップする方法とは?
・間取りアプリで部屋作りを楽しもう!無料で遊べる15種類を大公開
・【CADアプリ】iPad・Androidで使える無料おすすめ8選
7. まとめ
他には、色彩検定協会の主催する「カラーコーディネーター」もインテリア業界で活かせる資格です。近年の高齢化社会に伴い、バリアフリーのリフォーム案件も増えているので、これからのインテリア業界を目指すなら「福祉住環境コーディネーター資格」を取得しておくと就職にも有利となるはず。
インテリア業界は一度働くと業界内で転職がしやすいことも特徴です。アルバイトのショップ店員から入り、専門知識を身に付けショールームアドバイザーになった後、働きながらCADを習得し、最終的にインテリアデザイナーになる…というように、働き方の選択肢もさまざま。
「CADソフトを独学で学ぶ自信がない…」という方は、ぜひ無料で学べるCADスクールに通ってみましょう。
業界シェアNo.1のCADソフト「AutoCAD(オートキャド)」の基本操作を、なんと基礎から完全無料でマスターすることが可能です。未経験者の方にも一から丁寧に指導してくれるので、図面を読むことがはじめての方でも安心して学んでいただけますよ。
インテリア業界は職種の間口が広いので「家具やインテリアが好き」という気持ちがあれば、どなたでもトライすることができるはずです。まずはインテリア業界が実際どんなところかを体験するために、先ほどご紹介した国内最大級のインテリア見本市「JAPANTEX」に行ってみるのもおすすめです。
この業界を目指す方は、今のうちから時間を上手に使う習慣を身に付けたり、休日にミュージアムやショールームで感性を磨くだけでなく、アクティブに動き回れるような体力づくりもしておくときっと後に役立つでしょう。