【CAD資格】CADオペレーターの就職におすすめな資格30種類を紹介
就職や転職以外にも、結婚・出産・子育て・復職・介護など、女性は生涯を通してさまざまなライフイベントを通過します。そのため、女性が長いスパンでキャリアを考えたときに必ず向き合わなくてはならない問題が「ライフイベントと仕事の両立」です。生涯を通したキャリアプランを立てることが女性も当たり前となりつつある中、手に職を持つ人気職業の一つに「CADオペレーター」があります。男性に比べ、ライフイベントによる仕事への影響が大きい女性にとって、性別や年齢を問われることなく安定して働けるCADオペレーターの仕事は近年特に注目されています。今回は女性がCADオペレーターへの就職や転職を考えたとき、取得しておくと有利になる資格30種類を一挙まとめて紹介します。
目次
1.CADの資格にはどんな種類がある?
CADの資格には国家資格・公的資格・民間資格の3種類があります。それぞれの違いと特徴は次の通りです。
内容 | CAD関連の資格 | 代表的な資格 | |
---|---|---|---|
国家資格 | 資格試験そのものが法律によって定められている資格で国や国から委託を受けた機関が実施する。有資格者は、知識や技術が一定水準以上に達していることを国から認定される。 | 機械・プラント製図技能士 | 医師、弁護士、社会福祉士、介護福祉士、栄養士、建築士、保育士、看護師、教員、調理師、普通自動車運転免許など |
公的資格 | 民間団体や公益法人が実施し文部科学省や経済産業省などの官庁や大臣が認定する資格。国家資格と民間資格の中間に位置付けられる。 | CADトレース技能審査(厚生労働省認定) ※平成29年度を以て廃止 |
簿記検定、秘書検定、ファッションコーディネート色彩能力検定試験(文部科学省認定)、食品衛生責任者、翻訳検定、簿記検定など |
民間資格 | 民間団体や企業が、独自の審査基準を設けて任意で認定する資格。国家資格と異なり法による規定がない。試験に合格する他に、指定の講習を受けることで、高い専門知識や技術を持っていることを証明することができ「認定資格」とも呼ばれる。 | CAD利用技術者試験、建築CAD検定試験、CAD実務キャリア認定制度、オートデスク認定資格プログラム、Vectorworks操作技能認定試験、3次元設計能力検定試験、CADデザインマスター | インテリアコーディネーター、福祉住環境コーディネーター、環境社会検定試験(eco検定)、DIYアドバイザー、秘書技能検定、アロマテラピー検定、ネイリスト技能検定試験、TOEIC・MOSなど |
ほとんどの資格が民間資格ですが、国家資格や公的資格と同様に知識や技能があるものとして広く認知されている資格や、直接職業に結びつく資格もたくさんあります。認知されている信用度や価値のレベルが高くなるにつれ資格取得の難易度もアップしますが、その専門分野では確実に実力を証明する証となります。
AutoCADユーザー試験もその一つで、国家資格ではありませんが世界中の国で認知されているワールドワイドの資格です。世界中の最も多くの職場で通用できるCAD資格としても知られているため、取得した暁には国内外問わずAutoCADを使った製図を行うあらゆる企業で実力を証明することができます。
どのCADの資格を取ったらいいのか迷ってしまったら、単に資格の種類だけでなく資格の運営団体の知名度や信頼性などについても意識しながら比較検討してみると、より自分の目的に合った資格を見つけやすくなるかもしれません。
次はCADの就職・転職に役立つ資格を全30種類、一挙紹介します。
2.CAD利用技術者試験
CAD利用技術者試験とは、CADに関する知識やスキルの評価や認定を行うための資格試験で、CADを利用するうえでの技術を明確化し、一定水準の技術に達している者に対して評価・認定を行います。そしてその技術保持者の育成と社会的・経済的地位の向上を図ることを目的とし、1990年に第1回試験が開催されて以来、現在までに56万人を超える受験者数と、19万人を超える合格者を排出した実績があります。試験は「2次元CAD利用技術者」「3次元CAD利用技術者」の2種類あり、それぞれの試験は次の通り級別にレベルが設けられています。
- 2次元CAD利用技術者 ・等級は「基礎」「2級」「1級」に分けられる
- 3次元CAD利用技術者 ・等級は「2級」「準1級」「1級」に分けられる
・「1級」については、更に「機械」「建築」「トレース」の分野別に試験が設けられている
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・【2019年最新】3次元CAD利用技術者試験|過去問の例題と注意点を解説
2-1. 2次元CAD利用技術者試験基礎
- 受験料 4,320円(税込)
- 受験資格 特に無し
- 試験内容 ・CADシステムの基礎知識と利用
- 受験方法 IBT試験(インターネットに接続されたPC環境での試験)
- 難易度 ★☆☆☆☆
- 合格基準 総合7割以上を合格基準とします。
- おすすめする対象者 CADシステムを理解するうえでの基本的な知識を有する方を対象とした資格試験のため、CADスクール受講生や工業高校、高等専門学校在校生などCADの初学者や、将来専門CADシステムに係わる職業を目指す方におすすめです。
・CADを動作させるコンピュータシステム
・ネットワークの基礎知識
・情報セキュリティと知的財産
・製図の基礎
・図形の基礎
Official Site: CAD利用技術者試験 – 一般社団法人コンピュータ教育振興協会
2-2.2次元CAD利用技術者試験 2級
- 受験料 5,940円(税込)
- 受験資格 特に無し
- 試験内容 ・CADシステム分野
- 受験方法 筆記試験 (CBTシステムを利用した試験)
- 難易度 ★★☆☆☆
- 合格基準 CADシステム分野・製図分野が各5割以上、および総合が7割以上を合格基準とします。
- おすすめする対象者 CADに関する専門知識とCADを使って設計・製図業務を行ううえで必要な知識を修得している方を対象とした資格試験のため、CAD関連業務就業者やそれに準じる知識および技能を有する方におすすめです。
・製図分野
Official Site: CAD利用技術者試験 – 一般社団法人コンピュータ教育振興協会
2-3.2次元CAD利用技術者試験 1級
- 受験料 16,200円(税た込)
- 受験資格 2級有資格者および過去の1級合格者
- 試験内容
- 受験方法 実技試験と筆記試験
- 難易度 ★★★★☆
- 合格基準 実技試験・筆記試験が各5割以上、および総合が7割以上を合格基準とします。
- おすすめする対象者 ・機械/建築
※過去の1級合格者は10,800円(税込)
機械 | 建築 | トレース | |
---|---|---|---|
実技試験 | ・機構部品の作図 ・投影図からの作図 ・適切な数値(カタログ、要目表など)からの作図 |
・RC造の作図 ・木造の作図 |
・編集・レイヤ設定能力 ・トレース能力 ・投影能力 |
筆記試験 | ・機械製図の知識 | ・建築製図の基礎知識 ・建築生産の電子情報 |
・製図の知識 |
出題比率 | 実技試験:75% 筆記試験:25% |
CADを使った1年以上の就学・就業経験を有する方を対象と試験のため、現在各分野でCADを使った設計・製図業務に従事し、CADの操作だけでなく設計の補助業務も担っている方、また将来的に設計者やCADオペレーターの管理業務を目指す方にもおすすめです。
・トレース
CADを使った半年以上の就学・就業経験を有する者を想定した試験のため、現在2次元図面のトレース業務に従事している方、CADの作図業務に特化したスキルと知識をさらに必要としている方におすすめです。
Official Site: CAD利用技術者試験 – 一般社団法人コンピュータ教育振興協会
2-4.3次元CAD利用技術者 2級
- 受験料 7,560円(税込)
- 受験資格 特に無し
- 試験内容 ・3次元CADの概念
- 受験方法 筆記試験(マークシート方式による多肢選択方式および真偽方式)
- 難易度 ★★★☆☆
- 合格基準 各分野5割以上、および総合7割以上の正解を合格基準とします。
- おすすめする対象者 製造・機械系の分野において、CADを利用したモデリング・設計・製図などの業務に従事する方、3次元CADシステムの周辺業務に従事している方におすすめです。
・3次元CADの機能と実用的モデリング手法
・3次元CADデータの管理と周辺知識
・3次元CADデータの活用
Official Site: CAD利用技術者試験 – 一般社団法人コンピュータ教育振興協会
2-5.3次元CAD利用技術者 準1級
- 受験料 10,800円(税込)
- 受験資格 2級有資格者(併願受験も可)
- 試験内容 ・CADリテラシー問題、空間把握能力問題
- 受験方法 実技試験
- 難易度 ★★★★☆
- 合格基準 各分野5割以上、および総合7割以上の正解を合格基準とします。
- おすすめする対象者 製造・機械系の3次元CADを利用したモデリング・設計・製図などの業務に従事することを目指す方、または従事している方におすすめです。
※2級との併願受験:16,200円(税込)
・2次元図面からの作図能力問題
Official Site: CAD利用技術者試験 – 一般社団法人コンピュータ教育振興協会
2-6.3次元CAD利用技術者 1級
- 受験料 16,200円(税込)
- 受験資格 2級有資格者(併願受験も可)
- 試験内容 ・CADリテラシー問題、空間把握能力問題
- 受験方法 実技試験
- 難易度 ★★★★★
- 合格基準 各分野5割以上、および総合7割以上の正解を合格基準とします。
- おすすめする対象者 製造・機械系の3次元CADを利用したモデリング・設計・製図などの業務に従事して半年以上の実務経験を有する方におすすめです。
※2級との併願受験:21,600円(税込)
・部品組立て能力問題
・2次元図面からの作図能力問題
3.建築CAD検定試験
建築CAD検定試験とは、建築知識をもとに建築一般図をCADを使って作成する実力を測る試験です。全国の大学、短大、高専、専門学校、高校、職業訓練校、各種スクールなど、640校を超えるCADの教育機関で導入され、受験者数は団体・一般を合わせると年間8,000名以上に渡ります。CADの実技検定試験としては受験者数・規模ともに、日本最大級の試験として位置づけられる、1993年に誕生した日本初の建築CADに特化した資格試験です。
関連記事:
・建築CAD検定試験とはどんな試験? 試験概要から合格率までまとめました
3-1.4級
- 受験料 3,100円(税込)
- 受験資格 高校での団体受験のみ
- 試験内容 与えられた建築図面をCADシステムを使って正しくトレースする実力を備えているかを問われる
- 受験方法 実技試験
- 難易度 ★☆☆☆☆
- 合格基準 4級は200点満点中の135点がおよその合格基準となります。
- おすすめする対象者 将来建築業界または建築に関連する業界を目指す学生の方におすすめです。
※団体受験のみ
※試験問題の難易度などを考慮し、若干上下することがあります。
※高校での団体受験のみが対象の資格試験のため、一般の受験はできません。
Official Site: AACL-(社)全国建築CAD連盟
3-2.3級
- 受験料 10,300円(税込)
- 受験資格 特に無し
- 試験内容 与えられた建築図面をCADシステムを使って正しくトレースする実力を備えているかを問われる
- 受験方法 実技試験
- 難易度 ★★☆☆☆
- 合格基準 3級は200点満点中の145点がおよその合格基準となります。
- おすすめする対象者 建築業界への就職・転職を目指すや建築図面を作図するCADオペレーターを目指す方、またはそれに従事する方におすすめです。
※個人受験・団体受験ともに同料金
※試験問題の難易度などを考慮し、若干上下することがあります。
Official Site: AACL-(社)全国建築CAD連盟
3-3.2級
- 受験料 10,300円(税込)
- 受験資格 特に無し
- 試験内容 自らの持つ建築知識をもとに、CADシステムを使って建築図面を作成する実力を備えているかを問われる
- 受験方法 実技試験
- 難易度 ★★★☆☆
- 合格基準 2級は250点満点中の195点がおよその合格基準となります。
- おすすめする対象者 建築業界への就職・転職を目指す方や、建築平面図を作成するCADオペレーターからさらなるスキルアップを目指す方、またはそれに従事する方、これから3次元CADの習得を目指す方におすすめです。
※試験問題の難易度などを考慮し、若干上下することがあります。
Official Site: AACL-(社)全国建築CAD連盟
3-4.准1級
- 受験料 14,400円(税込)
- 受験資格 特に無し
- 試験内容 課題として与えられた建築図面(RC構造等)を、自らの建築製図知識とCADの経験を駆使したうえ、建造物の特性を理解した適切な判断によるトレースを行なってこれを完成させる
- 受験方法 実技試験
- 難易度 ★★★★★
- 合格基準 准1級試験には合格基準のボーダーラインはありません。
- おすすめする対象者 建築業界への就職・転職を目指す方や、建築CADオペレーターからさらなるスキルアップを目指す方、一級建築士・二級建築士の資格取得を目指す方など、あらゆる建築関連業界でのスペシャリストを目指す方や、それに従事する方におすすめです。
准1級は全ての課題図面を完成させているか否かが合否の判断になるため、 一部分でも未完成の箇所があればそこで不合格となります。
Official Site: AACL-(社)全国建築CAD連盟
4.CAD実務キャリア認定制度
CAD実務キャリア認定制度は、すでにCADを利用している実務者をはじめ、現在CAD教育を受けている方々を対象に、CAD利用に関する実務的な技術・技能の成果を認定する試験です。CADを使った仕事をするうえで必要なスキルを評価判定し、個人の技術、技能習得意欲、問題解決能力などを向上させることを目的としています。
試験はCAD アドミニストレーター認定試験、3次元CAD アドミニストレーター認定試験、3次元CAD トレーサー認定試験の3試験で構成されます。
受験方法は2通りあり、団体受験者は試験会場での受験となりますが、一般受験者は在宅試験となります。なお受験料は学生であればそれぞれの等級において割引が適用されます。
4-1.CADアドミニストレーター認定試験
- 受験料 一般受験者:7,200円
- 受験資格 特になし
- 試験内容 ・CADシステムの操作スキルと図形の理解力、図学力の基礎を測る
- 受験方法 実技試験
- 難易度 ★★☆☆☆
- 合格基準 合格基準については公表されていないため不明です。
- おすすめする対象者 分野を問わずCADを扱う業務に従事する方、またこれからCADでの製図を始める方におすすめです。
学生割引:5,200円
※但し、インターネットに接続できることが試験実施における環境条件となる。
・分野別の専門的な設計技術等に関係なく、2次元CADのあらゆる機能を駆使し、課題形状をCADを使って作図するスキルを判定する
Official Site: CAD実務キャリア認定制度 – CAD検定部会
4-2.3次元CADアドミニストレーター認定試験
- 受験料 一般受験者:10,300円
- 受験資格 特になし
- 試験内容 ・CADシステムの操作スキルと図形の理解力、図学力の基礎を測る
- 難易度 ★★★☆☆
- 合格基準 合格基準については公表されていないため不明です。
- おすすめする対象者 3Dモデリングの知識や技能の他、3Dで簡単な部品を組み立てるアッセンブル技能などの3Dにおける基本操作の習得度をはかるため、2次元CADをすでに習得済みで3次元CADを学んでいる方や、既に3次元CADを使って実務に従事している方におすすめです。
学生割引:6,200円
※但し、インターネットに接続できることが試験実施における環境条件となる。
・分野別の専門的な設計技術等に関係なく、3次元CADのあらゆる機能を駆使し、課題形状をCADを使って作図、変更、2次元化(指定配置)するスキルを判定する
Official Site: CAD実務キャリア認定制度 – CAD検定部会
4-3.3次元CADトレーサー認定試験
- 受験料 一般受験者:13,400円
- 受験資格 特になし
- 試験内容 ・3次元CADのモデリング操作と図面化の習得度合を測る
- 難易度 ★★★★☆
- 合格基準 合格基準については公表されていないため不明です。
- おすすめする対象者 3次元CADのモデリング操作や3次元を図面化する習得の度合いをはかるため、既に3DCADを扱う業務に従事する方、またこれから3DCADを使った製図を始める方におすすめです。
学生割引:9,300円
※但し、インターネットに接続できることが試験実施における環境条件となる。
・3次元CADのあらゆる機能を駆使し、課題形状のモデリング、アセンブリ(組み立て)、2次元化 (機械図面化)、指示によるモデル形状の変更や追加対応力などのスキルを判定する
※旧CAD実務トレーサー認定試験を統合した試験です。
Official Site: CAD実務キャリア認定制度 – CAD検定部会
5.オートデスク認定資格プログラム試験
オートデスク認定資格プログラムは、全世界のオートデスク・ユーザー 20 万人以上が取得している世界共通のワールドワイドな認定資格制度です。日本では2013年から「AutoCAD 2013 認定資格試験」が開始され、既に多くのユーザーがこれを取得しキャリアアップに成功しています。資格プログラムは、中・上級ユーザー向けの「オートデスク認定プロフェッショナル」と、学生や初級ユーザー向けの「オートデスク認定ユーザー」の2コースで構成され、AutoCADユーザーが実務に則したCADの操作や活用スキルを測ることができます。また受験希望者を対象に、全国のオートデスク認定トレーニングセンター(ATC)で試験対策講座や製品のトレーニング講座が設けられているので、事前に質の高いトレーニングを受講することができます。
5-1.AutoCAD ユーザー試験
- 受験料 7,560円(税込)
- 受験資格 最新の AutoCAD コースおよび 50 時間以上の使用経験がある方を推奨
- 試験内容 ・基本的な作図スキルの利用
- 受験方法 ・ソフトウェアを操作して解答する実技形式がメイン
- 難易度 ★★★☆☆
- 合格基準 70%以上の正解率を合格基準とします。
- おすすめする対象者 AutoCADを使って2D・3Dの設計スキルが求められる仕事に従事する方、より需要が高いAutoCAD専門知識を学びレベルアップしたい方におすすめです。
・オブジェクトの作成
・作図補助機能の使用
・オブジェクトの編集
・高度な作図編集機能
・オブジェクトの整理
・コンテンツの再利用
・図面への注釈
・レイアウトと印刷
・AutoCADの知識を有し、効果的に使用できているかどうかを問う問題が30問出題
Official Site:オートデスク認定資格プログラム – トレーニング・認定資格
5-2.AutoCAD プロフェッショナル試験
- 受験料 12,960円(税込)
- 受験資格 最新のAutoCADコース(または同等の内容)および400時間以上の使用経験がある方を推奨
- 試験内容 ・オブジェクトの作成
- 受験方法 ・AutoCADを使用しデータを作成および変更などして解答を導き出し、解答欄に記入する
- 難易度 ★★★★☆
- 合格基準 80%以上の正解率を合格基準とします。
- おすすめする対象者 AutoCADを使って2D・3Dの設計スキルが求められる仕事に従事する方、AutoCADユーザーとしてより高い価値を持つ資格を保持したい方におすすめです。
・正確な作図
・オブジェクトの修正
・さらなる作図テクニックの使用
・オブジェクトの構成
・既存のコンテンツの再利用
・図面注釈
・レイアウトと印刷
・試験は 35 問出題
Official Site:オートデスク認定資格プログラム – トレーニング・認定資格
6.Vectorworks操作技能認定試験
Vectorworks操作技能認定試験とは、Vectorworksの操作技能の向上や社会ニーズに一致した技能者の養成を目指し、操作技能を客観的に評価できる基準のひとつとして実施される操作技能認定試験です。Vectorworksの国内総販売元であるエーアンドエー株式会社が主催し、試験はベーシック認定試験とマスター認定試験の2種類で構成されています。
- ベーシック認定試験 Vectorworksが持つ2次元、3次元、データベース等の基本機能と、Renderworks(レンダーワークス)の基本操作技能を取得していることを認定する試験
- マスター認定試験 Vectorworksの2次元・3次元、データベース等の基本から応用までの作図方法、Vectorworksの上位版で搭載する専門分野別機能(Designer)や、フォトリアルなレンダリング機能(Renderworks)の操作技能全般について高度な操作技能が習得されていることを認定する試験
この試験ではVectorworksの基本的な操作や機能が理解習得されているかを測るため、特定の業種に特化した設問はありません。そのためVectorworksをはじめたばかりの初心者から実務経験者まで幅広い受験者層に対応していることが特徴です。
本試験前には事前に公式サイト上で、実際の試験と同じ受験画面を体験することも可能です。また合格者全員には「Vectorworks操作技能ベーシック認定証」がダウンロード形式で配布され、さらに優秀な成績で合格された方(正答率9割以上)にはカード形式の認定証が発行されます。
6-1.ベーシック認定試験
- 受験料 3,000円(税別)
- 受験資格 特に制限なし
- 試験内容 次の4つの部門に分けて出題されます。
- 受験方法 ・CBT試験(50分)
- 難易度 ★★★☆☆
- 合格基準 全体の7割以上が正解している事が合格基準となります。
- おすすめする対象者 Vectorworksの基本的な操作技能を習得している事を公式に認定されたい方におすすめです。
・Vectorworks基礎・環境(12問)
・Vectorworks基本機能・作図(25問)
・Vectorworks活用機能(5問)
・Renderworks(8問)
※画面に表示される問題文を読み、適切な方法で解答します。
※解答の方法は、択一選択方式、正誤方式のいずれかとなります。
Official Site: Vectorworks操作技能認定試験 – A&A
6-2.マスター認定試験
- 受験料 12,000円(税別)
- 受験資格 Vectorworksベーシック認定者、修了認定者であること
- 試験内容 次の4つの部門に分けて出題されます。
- 受験方法 ・実技試験(150分)
- 難易度 ★★★★☆
- 合格基準 各部門の過半数以上が正解し、且つ全体の7割以上が正解していることが合格基準となります。
- おすすめする対象者 マスター認定試験は2017年11月11日第9回を以て廃止となってしまったため、現在は受験することができません。そのためVectorworksの基本的な操作技能を習得している方やこれからVectorworksを習得しようと考えている方は、ベーシック認定試験を受験することをおすすめします。
※ベーシック認定試験に合格していることが必須です。
・Vectorworks環境部門 (配点15点)
・Vectorworks基本部門 (配点65点)
・Vectorworks活用部門 (配点10点)
・Renderworks部門 (配点10点)
※在宅型試験のため、インターネットに接続しご自身のパソコンのVectorworksで受験します。
Official Site: Vectorworks操作技能認定試験 – A&A
7. 3次元設計能力検定試験
3次元設計能力検定試験とは、製造業において3次元CADを扱うことが可能な技術者を対象に、3次元CADのオペレーション能力、機械設計の基礎的能力を客観的で公平に評価するための検定試験で、毎年5月と11月の年2回実施されます。この試験は3次元CADコース・図面作成コース・プロ設計者コースの3コースにより構成され、求められる業務内容に応じてコースを選択することができます。また3次元CADのオペレーション能力とともに、3次元CADの活用につながる設計能力の有無を含め、各科目の「得点表」とレーダーチャートによる「総合評価」により合否が判定されます。それぞれのコースに応じた設計者の能力はポイントで評価され、全ての受験者に「スコア証明書」が発行されます。
7-1.3次元CADコース
- 受験料 8,000円
- 受験資格 特になし
- 試験内容 ・3次元CAD(部品、アセンブリ、図面など)
- 受験方法 ・筆記および実技
- 難易度 ★★★☆☆
- 合格基準 150点中90点以上を合格基準とし、合格者のうち120点以上は優秀レベルとして評価されます。
- おすすめする対象者 3次元CADのオペレーターとして業務に従事する方、またそれを目指す方におすすめです。
・3次元CAD科目の試験においては、原則として受験者が会場にパソコン(ソフトウェア含む)を持ち込むこととする
※現在、3次元CAD科目の試験に対応可能なソフトは、以下のとおりです。
・SOLIDWORKS
・CATIA V5
・Autodesk Inventor
・Caelum XXen
Official Site:特定非営利活動法人3次元設計能力検定協会
7-2.図面作成コース
- 受験料 10,000円
- 受験資格 特になし
- 試験内容 ・3次元CAD
- 受験方法 ・筆記および実技
- 難易度 ★★★★☆
- 合格基準 全ての科目が最高点(150点)の60%以上を合格基準とし、合格者のうち200点以上は優秀レベルとして評価されます。
- おすすめする対象者 3次元CADを使った製図技術者として業務に従事する方、またそれを目指す方におすすめです。
・JIS製図法
・公差設計
・3次元CAD科目の試験においては、原則として受験者が会場にパソコン(ソフトウェア含む)を持ち込むこととする
※現在、3次元CAD科目の試験に対応可能なソフトは、以下のとおりです。
・SOLIDWORKS
・CATIA V5
・Autodesk Inventor
・Caelum XXen
Official Site:特定非営利活動法人3次元設計能力検定協会
7-3.プロ設計者コース
- 受験料 15,000円
- 受験資格 特になし
- 試験内容 ・3次元CAD
- 受験方法 ・筆記および実技
- 難易度 ★★★★★
- 合格基準 全ての科目が最高点(150点)の60%以上を合格基準とし、合格者のうち400点以上は優秀賞として評価され表彰状が送られます。
- おすすめする対象者 3次元設計技術者として業務に従事している方におすすめです。
※プロ設計者コースは分割受験も可能
・機械設計7つ道具:JIS製図法、公差設計、機械材料、強度設計、信頼性設計、要素設計、加工法
・3次元CAD科目の試験においては、原則として受験者が会場にパソコン(ソフトウェア含む)を持ち込むこととする
※現在、3次元CAD科目の試験に対応可能なソフトは、以下のとおりです。
・SOLIDWORKS
・CATIA V5
・Autodesk Inventor
・Caelum XXen
※表彰制度はプロ設計者コースのみです。
Official Site:特定非営利活動法人3次元設計能力検定協会
8.機械・プラント製図技能士
機械・プラント製図技能士は、機械やプラントの図面を描く技能を認定する国家資格です。この資格は「名称独占資格」と呼ばれるもので、資格がなくてもその業務を行うことができますが、資格がなければその名称を名乗ることができません。そのため試験に合格して初めて「技能士」と自ら称することが可能となります。
この資格は、製図スキルのみではなく、製図に必要な機械的知識・設計的知識も要求され、1級~3級の等級に分けられます。それぞれ「上級技能者」「中級技能者」「初級技能者」が有すべき技能とされ、さらに作業項目によって「機械製図手書き作業」「機械製図CAD作業」「プラント配管製図作業」の3つに分類されます。また、資格取得のためには、実技と学科の両試験を合格することが必須条件となり、学科試験は共通科目のほか、作業ごとに定められた選択科目も受検する必要があります。
8-1.受験概要
- 受験料 検定職種ごとに各都道府県において受験料が定められているため、申し込みの前にお住いの都道府県職業能力開発協会に問い合わせましょう。
- 受験資格 ・3級:実務経験6ヶ月以上
- 受験方法 ・筆記および実技
- 難易度 ★☆☆☆☆~★★★☆☆
- 合格基準 ★☆☆☆☆
- おすすめする対象者 国家資格を持ったエンジニアとして機械設計や製図に携わりたい方、プラント施設の各種設備機器の部品を作図・設計する方におすすめです。
※受験料の全国標準金額は、平成26年度より実技試験17,900円、学科試験3,100円となっています。
・2級:実務経験2年以上
・1級:実務経験7年以上
※職業訓練歴や学歴により実務年数は異なります。
Official Site:技能検定のご案内 : 中央職業能力開発協会(JAVADA)
8-2.学科試験
学科試験は以下の共通科目の他、受験する作業項目ごとに定められた選択科目が必須となります。
- 共通科目 ・製図一般
- 選択科目 ・機械製図手書き作業:機械製図法
- 受験方法 ・マークシート方式により実施
・材料
・材料力学一般
・溶接一般
・関連基礎知識
・機械製図CAD作業:機械製図法
・プラント配管製図作業:プラント配管製図法
Official Site:技能検定のご案内 : 中央職業能力開発協会(JAVADA)
8-3.実技試験
実技試験は、製作等作業試験、計画立案等作業試験もしくは判断等試験のどちらか、またはそれらの組み合わせにより実施されます。実技試験の内容は主に部品図面の作成で、出題される組立図からパーツ部品図面を作成する作業試験です。作業項目によって以下の3つに分類され、さらに各等級に分けられます。
Official Site:技能検定のご案内 : 中央職業能力開発協会(JAVADA)
8-3-1.機械製図手書き作業
- 3級 ・試験時間:3時間
- 2級 ・試験時間:4時間
- 1級 ・試験時間:5時間
・機械装置を組み立てた課題図面から、指定された部品図を手書きで作成する
・機械装置を組み立てた課題図面から、指定された部品図を手書きで作成する
・計算問題の他、機械装置を組み立てた課題図面から、指定された部品図を手書きで作成する
Official Site:技能検定のご案内 : 中央職業能力開発協会(JAVADA)
8-3-2.機械製図CAD作業
- 3級 ・試験時間:3時間
- 2級 ・試験時間:4時間
- 1級 ・試験時間:5時間
・機械装置を組み立てた課題図面から、指定された部品図をCADソフトを使って作成する
・機械装置を組み立てた課題図面から、指定された部品図をCADソフトを使って作成する
・計算問題の他、機械装置を組み立てた課題図面から、指定された部品図をCADソフトを使って作成する
Official Site:技能検定のご案内 : 中央職業能力開発協会(JAVADA)
8-3-3.プラント配管製図作業
- 2級 ・試験時間:4時間
- 1級 ・試験時間:5時間
・課題である配管組立図、P&Iダイアグラム、配管材料分類表及び部品寸法表を元に、指定された配管のアイソメ図(尺度は問わない)、材料表を作成する
※アイソメ図:「等角投影図」と呼ばれる立体を斜めから見た図を表示する方法の一つのこと。
・課題である配置図、P&Iダイアグラム、配管計画図、機器外観図及び部品寸法表を元に、指定された配管の配管組立図(平面図)を作成する
Official Site:技能検定のご案内 : 中央職業能力開発協会(JAVADA)
9.CADデザインマスター
CADデザインマスターとは、世界標準のCADであるAutoCADやJw_cadを使って、CADを用いた設計・製図を的確に行う能力を測る試験です。建築・機械・設備・電気・土木など、各分野のCAD製図業務で一定レベル以上の知識と技術を身に付け、これからの社会の姿を考えられる人材となることを目標としています。また資格取得後は自宅やカルチャースクールなどで講師活動を行うこともできます。
主催の日本デザインプランナー協会は、空間ディスプレイデザイナー認定試験やインテリアデザイナー認定試験など、さまざまなデザイン分野のスキルで一定基準を超える技術と知識を持つと評価した方に対し資格を付与しています。この認定試験は、2か月ごとに実施されている資格試験で、ネット環境さえあれば在宅で受験可能です。
この試験の合格率は70%以上の正答率とされているため非常に難易度が高いことが特徴です。平成26年度の合格率は32.7%と低く、初心者が一から独学のみで受験するには容易ではない試験と言えます。もし初心者が受験を希望する場合は、CADデザインマスターを専門とする通信講座を受講すると、基礎から試験対策までしっかり学ぶことができるので積極的に利用するとよいでしょう。
- 受験料 10,000円(税込)
- 受験資格 特になし
- 受験方法 在宅での受験、指定の期日までに解答用紙を提出
- 難易度 ★★★★☆
- 合格基準 70%以上の評価を合格基準とします。
- おすすめする対象者 CADの作図能力に自信のある方、自宅やカルチャースクールなどでCADの講師活動を行いたい方
Official Site:CAD資格のCADデザインマスター認定試験 | 日本デザインプランナー協会
10.CADトレース技能審査(厚生労働省認定)
CADトレース技能審査とは、現実的な図面を日本工業規格(JIS)に基づき、CADソフトを使用して製図する作業を評価する試験です。試験は建築部門と機械部門に分かれ、建築部門は実際に施工可能な建物をベースとした図面、機械部門は実際に組立てや加工ができる部品の図面が試験課題となります。そのため本試験に合格することは実務に十分対応可能な図面を描くことが出来るという証明となります。
CADトレース技能審査は平成9年の発足以来、数あるCADの資格試験のうち唯一の公的資格として非常に人気がありました。しかし昨今のCADトレース事業を取り巻く環境の変化に伴い、受験者数が減少してしまったため、残念ながら平成29年度後期の試験を以て廃止となりました。
これから受験することはもうできませんが、既に資格を取得済みの方は、今後もご自分の“能力証明”として、また“CAD操作のキーマンの証”として、自信を持って活用することができるでしょう。
Official Site:CADトレース技能審査(厚生労働省認定):中央職業能力開発協会
11.CADの資格の取り方
どの資格試験も試験に出題される内容は予め決められています。そのため出題内容を踏まえた問題集を解きながら練習図面を繰り返しCADを使って描く練習をすることが、どの資格試験にとっても基本の勉強方法です。本試験に備えながら効率よく学習するための方法は主に次の2つです。
11-1.講座を受講して資格を取得する
初心者がCADの資格を習得する場合、まずはCADの操作ができなくてはなりません。全くの未経験者の場合、学校やスクールに通うと、建築CADや機械CADの基本操作から各分野の基礎知識や製図方法に至るまで、体系的に詳しく学ぶことができます。しかしCADの基礎から製図知識や試験対策までを網羅する一貫コースで学ぶとなると、大変高額な費用がかかってしまいます。そのため学費を少しでも抑えたい方はCADの習得は独学で身に付け、出題傾向とポイント学習に絞った試験対策講座のみを受講するのもおすすめです。試験対策講座は通学だけでなく、Webの通信講座を設けている場合があるので、各スクールでどんな講座が設けられているのかを調べてみるとよいでしょう。
また、各都道府県が主催する職業能力開発センターでは「キャリアアップ講習」として、2次元や3次元のCAD製図講座から資格試験に向けた受験対策講座を開催している場合があります。短期間でポイントを押さえて習得できる内容になっているため民間スクールに比べて講座回数も少ないですが、その分受講料金も格安に設定されています。各講座とも応募者数が多い場合は抽選方式となりますが、応募資格は特に問われないため、少しでも気になる方はお近くのハローワークに問い合わせてみるのもおすすめです。
11-2.独学で資格を取得をする
初心者が独学でCAD資格を取得する場合は、まずCADの操作ができていることが第一条件です。その上で、各資格試験に対応した公式テキストと過去問題集を用意し、できるだけたくさんの過去問や予想問題を解くことが試験対策のポイントです。反復練習をすることで出題傾向が身に付き、決められた時間内に余裕をもって回答できるように問題に慣れておくことが最も重要です。模擬試験を受けられる機会があれば実際に本試験同様の雰囲気にも慣れておくことができるので積極的に参加するとよいでしょう。
12.CAD未経験者におすすめの資格は?4つの目的別にご紹介
まったくの未経験者がこれからCADオペレーターとして働くには、いったいどんな資格を取得したらいいのでしょうか?初心者が目指したいおすすめの資格は次の通りです。
- 建築・機械問わず、CADの基本操作ができることを証明したい方 ・2次元CAD利用技術者試験基礎
- 今後CADを使った建築設計を目指す方 ・建築CAD検定試験3級
- これからAutoCADを専門的に習得したい方 ・オートデスク認定資格プログラム試験:AutoCAD ユーザー試験
- これからVectorworksを専門的に習得したい方 ・Vectorworks操作技能認定試験:ベーシック認定試験
2次元CAD利用技術者試験基礎は、CADの種類も専門分野も問わないため、実務にそのまま生かすには少し難しい試験内容ではあります。しかし、CADを習得し始めた初心者の方が一番目指しやすい資格であることには違いありません。
特に機械系CADオペレーターを目指す方であれば、まず最初に取得しておくとより2DCADへの理解が深まるでしょう。
建築図面の読み方や書き方の基礎をマスターしたい方には、建築CAD検定試験3級がおすすめ。今後CADを使った建築設計を目指すのであれば、真っ先に取得しておきたい必須資格といえます。
すでに習得したいCADが決まっているという方は、CADソフトの種類別にAutoCAD ユーザー試験やVectorworks操作技能認定試験(ベーシック認定試験)を検討してみるのも方法のひとつ。
建築設計・機械設計であればAutoCAD、内装設計であればVectorworksを導入している企業が多い傾向にあるので、仕事先の企業が何のCADを扱っているのか?予め情報を入手しておくと資格の選択がしやすくなるでしょう。
13.まとめ
時代の影響をさほど受けることなく、安定して働くことができるCADオペレーターの仕事は、まさに女性にとってうってつけの職業。
CADのスキルさえあれば、生き方にさまざまな選択肢が増えるだけでなく、自分の望む形でキャリアをコントロールすることも可能となるでしょう。
とはいえ「どのCADソフトを習得すれば就職に有利なの?」「全くの未経験者の場合、どんな方法でCADソフトを習得するのがベスト?」とお悩みの方にはこちらがおすすめ。
世界トップシェアのCADソフト「AutoCAD」の操作方法をなんと無料で学べます!さらに就職サポートも万全なので、未経験者や初心者の方でも安心してマスターできますよ。
CADソフトはほかにもさまざまな種類があります。まずは、以下の記事を参考に習得してみたいCADを探してみましょう。希望のCADソフトが決まったら、ぜひ興味がある分野の資格取得にトライしてみてくださいね。