CATIAとは何?アセンブリ・ドラフティングなどの機能や学生体験版など基本情報
CATIAとは世界中の大手企業で導入されてる3次元CADソフトの代表格のことで、デザインから設計、開発、評価、解析などのトータル支援が出来るツールです。
高機能で比較的大規模なもの且つ複雑な設計に向いており、主に自動車や航空機開発で用いられています。
複数のライセンスがありますが、一般的に「CATIA V5」が使用されています。
CATIAの主な特徴や無料体験版について解説します。
目次
CATIAとは?
CATIA(キャティア)とは、DASSAULT SYSTEMES(ダッソーシステムズ)社が1981年にリリースした3次元CADソフトウェアです。
ライセンスの種類はCATIA V1~V6と3DEXPERIENCEがあります。
「CATIA V1~3」はワイヤーフレーム・サーフェスに対応「CATIA V4」はソリッドに対応し、
そして1993年に「CATIA V5」がリリースされソリッド、サーフェス、アセンブリ、ドラフティングが対応可能となりました。
この「CATIA V5」が一番使用されいるCATIAのバージョンです。
2008年に「CATIA V6」、2014年に最新バージョンである「CATIA 3DEXPERIENCE」がリリースされています。
出典:DASSAULT SYSTEMES
3次元CADソフトには、ハイエンド、ミッドレンジ、ローエンドの3つに大別されます。CATIAはハイエンドCADです。
主な使用業種 | 代表的なCADソフト | |
---|---|---|
ハイエンド | 高機能で比較的大規模なもの、且つ複雑な設計向きで、主に自動車や航空機で使用 | CATIA、Pro/ENGNEER、I-DEASなど |
ミッドレンジ | ハイエンドに比べて機能は少し劣るが比較的小規模なものの設計向きで、主に家電製品で使用 | SolidWorks、Inventorなど |
ローエンド | 機能が不十分なところがある為あまり企業では使用されていない フリーソフトもあるため個人ユーザーが多い | Inventor LTなど |
1-1.CATIAのシェア
2次元CADは「AutoCAD」3次元CADは「CATIA」と言われるほど、3次元CADではトップシェアと言えます。 自動車をはじめ、航空機、電気・電子、機械など幅広い業界で使用されています。
日本企業内3DCADのシェア出典:中堅・大手では3D CAD導入進むも、中小企業では依然2D CADが主流――機械系エンジニア500人調査
1-2.CATIAの主な特徴
CATIAは幅広い分野で導入されているだけあって複数のモジュール群や機能があります
主な機能
・複雑な曲面形状の作成と修正
・複数部品の組立(アセンブリ)機能
・サーフェスの作成
・3Dデータから2D図面の作成
・設計プロセスをフィーチャーの階層に分けて表示(仕様ツリー)
などがあります。
これらの機能を使用し、企画段階のデザインから設計、組立、開発、評価、解析、管理などが可能です。
1-2-1.ワークベンチ
CATIAはパート・デザイン、スケッチャー、ワイヤーフレーム&サーフェス・デザイン、アセンブリ・デザイン、 ドラフティングのワークベンチで構成されています。
CATIAドキュメントを開くと関連してるワークベンチやワークベンチツールが表示され、それぞれのワークベンチの操作に必要なコマンドがアイコンとして配置されています。
・スケッチャー(2Dプロファイルの設計)
・パート・デザイン(パートの設計)
・ワイヤーフレーム&サーフェス・デザイン(ワイヤーフレーム機能とサーフェス機能による設計)
・アセンブリ・デザイン(部品パーツを配置して、アセンブリ拘束条件を設定するアセンブリの設計)
・ドラフティング(3Dパーツとアセンブリ・デザインから図面を作成)
1-2-2.仕様ツリー
CATIAは設計プロセスをフィーチャーの階層に分けて表示しており、そのフィーチャーの階層を「仕様ツリー」といいます。 仕様ツリーを見ることで設計者の設計意図(設計手法)を理解する事が出来ます。
仕様ツリーを使用し、モデルの形状変更や編集が簡単にできます。
1-2-3.アセンブリ・ドラフティング・解析機能
作成したいくつかの3Dモデルを移動させたり、回転させて組み立てることをアセンブリといいます。
その際に3Dモデル同士が干渉していないか確認することもできます。
作成した3Dモデルを基に上面図、背面図、アイソメ図、断面図、詳細図等が作成でき、この図面化にすることをドラフティングといいます。
3Dモデルを修正すると自動的に2D図面も修正されます。
3Dモデルの材料定数、荷重条件や拘束などの設定を行うことで、静解析や公差解析、構造解析ができます。
解析を行うことで、不具合発生可能性の検討などを事前に行うことができます。
2.CATIA(学生版含む)入手方法と勉強方法
CATIAの入手方法はダッソー・システムズ製品を取り扱っている販売代理店から購入しますが、一般版と学生版では異なります。 トレーニングやサポートなどのサービスは充実しています。
価格は購入形態やライセンス契約により異なりますが、標準構成パッケージで754,400円から3,938,000円、学生版は年間約12,000円で利用が可能です。 学生版は学生ユーザー登録が必須です。
残念ながらCATIAはハイエンドCADでとても高機能なソフトですので、無料体験版は存在しませんので購入前に動作環境などを必ず行って下さい。
2-1.入手方法
【動作環境】
まずはインストールしたのに使用出来ないなどのトラブルが起きない為にもパソコンの動作環境を確認しましょう。
※下記の( )内は各代理店が推奨している動作環境です。
OS | Windows 7~10 64bit |
---|---|
CPU | 扱うデータ容量や処理作業によって動作環境以上 (Intel Core i5 2Hz以上のIntel(R)、AMD(R)プロセッサ) |
メモリー | 扱うデータ容量や処理作業によって動作環境以上(8GB以上) |
HDD | 10GB以上推奨(30GB以上) |
【CATIA V5の一般入手方法】
CATIA V5の一般入手方法はダッソーシステムズのホームページからダッソーシステムズご購入方法にアクセスし、
販売代理店に連絡して購入します。販売代理店の導入指導によりダウンロードおよびインストール方法説明などのサポートがあります。
【CATIA V5学生版の入手方法】
はじめに学生ユーザー登録を行います。
ビジネス目的を除き教育機関に所属している学生の方のみに限定しており、交通機関の学割対象者が条件であり職業訓練施設は対象外となります。
CATIA学生版3DSアカデミーホームページに
アクセスし登録します。ユーザー登録後に有効期限がわかる学生証画像を添付し学生版購入申請を行います。
一般商用版と比べるとワークベンチの数が少なく、画面に「透かし」が入ります。
2-2.勉強方法
CATIAは(学生ユーザーでない限り)勉強目的で入手できる価格ではありませんし、
他のCADソフトと比較すると市販されているテキストも少なく独学はお勧めできません。
操作方法や専門用語も合わせて、スクールで学び習得される方が多いです。
学生ユーザーの方は低価格でCATIAが使用でき、ダッソーシステムズのサポートによりトレーニングも可能ですので独学が可能です。
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3.CATIAは就活に有利なの?
就職・転職に有利なCADソフトが分からないと悩んでいる方は多くいらっしゃいますが、CATIAの習得は非常に有利でおすすめできます。
物づくり設計全般で採用されているソフトですので、多業界でのオペレーター職、企業や教育機関でのインストラクター職としても就職が可能です。
2次元CADや無料CADソフトのオペレーターに比べて給料や待遇が良い求人が多く、企業を選べる環境での就活が出来るのではないでしょうか。
4.まとめ
CATIAをご理解頂けたでしょうか。CATIAは、デザインから設計、開発、組立、検査、解析、管理などトータルで支援ができるハイエンドCADです。
初心者の方には2次元CADと違い図面作成だけでなく、モデリングやアセンブリなどの機能に慣れるには少し時間がかかると思いますが、マスターすると仕事の幅は格別に広がります。
技術者の第一歩としてCATIA CADオペレーターにチャレンジしてみてはいかがでしょうか。
【参考記事】
・CATIAの使い方/CATIA V5の入手方法から基本操作など徹底解説
・CATIA V5とV6とは?/2つのソフトの違いを簡単解説【3次元CADソフト】
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