インタビュー「独学でAutoCADを習得し2ヶ月後にはCADオペレーターに」

インタビュー「独学でAutoCADを習得し2ヶ月後にはCADオペレーターに」

独学でCADを習得し2ヶ月後にはCADオペレーターとしてキャリアを築いた河野さん。その学習方法や、どのように活躍の場を広げていったか、またCADの仕事の魅力についてお伺いしました。

河野 恭子さん

短大卒業後、業務用潜水会社の現場アシスタントを3年間、大手携帯ショップの販売職を4年間経験。新たな職種にチャンレンジしたい、手に職を付けたいと決意し、独学でCADを習得。その後現在も含め15年間、CADの仕事に従事。


CADの仕事をする前は、海上で、潜水士の方の現場アシスタントをしていました

CADの仕事に就く前はどんな仕事をされていましたか?

短大卒業後は、業務用潜水会社に就職し、現場(海)アシスタントとして潜水士の方のサポート業務をしていました。潜水という仕事に興味があったのですが、資格を持っていなかったので、資格所持者でなくても出来る範囲の業務に携わっていました。よく知人や友達に「珍しい職種だね」と言われますが、もともと趣味でサーフィンもしているので、海の中の仕事に興味を持つということは、私にとっては自然なことでした(笑) 海での現場仕事に加え、オフィスでは一般事務もこなしていました。3年間勤務しましたが、会社の閉鎖に伴い退職しました。

その後は大手携帯ショップの販売職として4年間勤務しました。 人と話すことは好きなので、接客業として職場では評価されていましたが、心の中では、「自分はサービス業向いていない、仕事は1人で黙々と集中する仕事がしたい」と思っていました。

▲目次へ戻る

物作りの仕事がしたいと決心し、独学でAutoCADを習得!

どのようにしてCADを習得されましたか?

サービス業が向いてないかもしれない、と思い始めた頃から手に職を付けて、黙々と仕事がしたいと思い始めました。まず、自分はどんな業界で働いてみたいのか、という所から考え、その時ふと「物作り業界に携わってみたい」と思ったのです。パソコン操作も好きだったので「WEBやプログラマー」といった、インターネット上のクリエイティブに最初は目が向きました。特にそればすごくやりたいというよりは、パソコンで物作りといったら、WEBサイト関係かなあ、くらいに思っていたのかもしれないです。 スクールの見学をいくつか体験し、自分の主観ですがその時は「もっと工場などに隣接した職場で物造りの方に興味がある」と感じました。その相談を見学先のスクールカウンセラーに話したところ、「あなたはCADオペレーターのほうが向いているかもしれません」と言われ、「それだ!」とピンときました。

そこで、普通だったらそのスクールへの入学を決め、CAD習得のための勉強を始めることになるかと思うのですが、スクールだと時間割があって、自分が高いモチベーションで勉強したいと思った時間に学習できないなと思い、独学で勉強することに決めました。 当時のCADスクール学費と、AutoCADのソフト価格に大差がなかったことから、自分への投資額はソフトの購入として使いました。実際には、CADソフトのインストール可能スペックのパソコンも新規購入したのですけどね。

秋葉原でパソコンを購入し、帰りに新宿の書店でCADの参考書を2冊買って、わくわくわくしながら帰宅したこと、今でも覚えています。

▲目次へ戻る

3. CADオペレーターを目指すのであれば、製図の知識は必須

独学でのCADソフト習得は大変でしたか?

何か分からないことがあると、自分が納得いくまで調べきるタイプの性格なので、独学で勉強することは、自分にとって大変という意識は全くありませんでした。分からないことが出てきて、それを調べて解決するというプロセスが大好きなのです。1日5時間土日も含め、毎日2ヶ月間集中して勉強しました。

勉強をしていくうちに、CADソフトの操作ができても製図が読めないとより深い仕事に携われないかもしれない、と感じるようになりました。 そこで、CADソフトの操作習得と並行して、図面の基礎知識の本も購入し、図面とは、という座学も1から叩き込みました。とにかく物作りの工程を知りたかったので、図面の知識が、自分の中で増えていくことも楽しかったですね。

▲目次へ戻る

4. 再度職業訓練校で1から機械CADを学び、機械業界で生きていくことを決意

CADオペレーターとしての経歴を教えてください

独学で勉強しながら、いつでも仕事が開始できるように、複数の派遣会社に登録していました。2ヶ月勉強した頃、業務未経験でもOKという仕事を紹介してもらい、派遣社員としてCADオペレーターデビューをすることができました。 純水装置の会社で、AutoCADを使用し、プラントの図面を作成していました。 3年間勤務して契約満了。途中単発の製図業務をいくつかこなし、改めて同社から声を掛けて頂き、4年間勤務して契約を満了しました。

次にどんなCADの仕事をしたいかと考え始め、CADの求人が多い業界は建築か、機械かな、でも建築だと今までのAutoCADの他に、Jw-CADのような別のソフト操作知識や、建築の知識も身につける必要があると思ったんです。機械であれば、7年間経験してきたプラント製図の知識も活かすことが出来るかもしれない。車関係のモノ作りにも興味があったので、次の仕事を探す前に、職業訓練校で1から機械CADの勉強をスタートさせました。

職業訓練校のコースが修了し、職安から、プレス機製造会社を紹介して頂きました。そこから新たなCADの仕事がスタートし、5年間勤務しました。使用ソフトはAutoCAD Electricalで、業務は主に回路図面の作成です。技術者が電気回路のプログラムを考え、その回路図をCADで図面化する業務に携わりました。 ここでは、CADソフトをカスタマイズするためのコマンド知識を多く学ぶことが出来ました。スピードが求められる業界でしたので、より早く正確に図面を作成するためには、操作の効率を上げるためのマクロでコマンドを組むことは必要不可欠。 コマンドサンプルがたくさん掲載されているWEBサイトを活用して、自分が使いやすいコマンドを色々試しました。

現在は電気ケーブル関係の会社で、AutoCADを使用し、設備図面の作成をしています。

▲目次へ戻る

5. 目に見える仕事のゴールの達成感と充実感にやり甲斐を感じます

CADの仕事でどんなところにやり甲斐を感じますか?

やり甲斐は何と言ってモノ作りの工程に携わることが出来るということですね。 モノを作るには多くの人がそのプロジェクトに関わり、多くの方の仕事が最終的に1つのモノとなって、完成します。設計者の方から、「完成したよ」と写真を見せてもらった時に、仕事の充実感と達成感を感じます。物作りには必ず「完成」というゴールがあるので、その達成感を何度も味わえることも、大きな魅力ですね。

▲目次へ戻る

6. いかにコマンドを自分のものにすることで、仕事の質が変わる

CADの仕事の面白さとはどんなところですか?

15年間AutoCADを使って仕事をしていますが、それでも会社ごとに、初めて知る操作方法が出て来るのです。その度に、CADって奥が深いなあと思います。仕事を通して、今でも都度発見があり、習得に終わりがないところが面白いです。 また、会社によってAutoCADの操作内容が異なるため、その都度業務を効率的で正確に、かつスピーディーに行うためのコマンドを新たに考えるのも楽しいです。

▲目次へ戻る

7. 2次元CADから3次元CADの仕事もできるよう業務の幅を広げたい

今後どのようなCADの仕事をしたいですか?

AutoCADは15年経験してきたので、別のCADソフトも習得したいと思っています。実はちょうど、今の職場で3次元CADの導入が決まって、その仕事を担当させてもらえることになりました。導入は数ヶ月後なので、今は3次元CADの勉強をまた独学でスタートさせ、日々増える新たな知識にワクワクしています。

▲目次へ戻る

8. 興味のある業界に絞って、CAD操作プラスアルファの知識習得を目指すこと

最後に、これからCADオペレーターの仕事をしてみたいと考えている方にメッセージをお願いします。

CADの仕事に携わるのであれば、自分がどの業界に携わりたいかを絞り込んでおいたほうが良いですね。CADの求人はたくさんあると思っていますが、業界によって、必要とされる知識は異なります。求人面接ではCAD操作が出来ることは当たり前で、その上で業界の知識を問われることはよくあります。 未経験OKのCADオペレーター業務に携わるチャンスを掴んだら、そこからプラスアルファの知識習得を目指してみることをお勧めします。